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月イチゴルファーが2年でシングルを目指す!!

残り250y…ラフからのセカンドは「100y先に刻む」が吉

第21回…攻める? 守る? 一度目のミスの挽回を捨て「スコア87」

 池田悟=日経Gooday編集部

ゴルフは成功よりも失敗することの方が多いスポーツ

山口先生 「自分にルールを設け、状況に応じてマネジメントしていくことはゴルフの上達に欠かせない絶対条件の1つです。たとえば私の場合、ピンまで残り150ヤード以内を『有効射程距離』と決め、バーディやパーを狙いに行く基準にしていることはお伝えしましたね。ですが、これも杓子定規にルールを運用しているわけではなく、有効射程距離の中にあったとしても、グリーンを狙いづらいときもあります。そこでは当然ながら、『ミスをしないこと』と『その次をどう狙っていくか』を考えたうえでの“最善手”を選ぶことになるわけです。将棋で言えば、『凌ぎの手筋』です」

記者 「グリーンを狙うのか、手間に刻むのかという選択は、今ではスコアを左右する大切な要因であることがよく分かります。ですが、これまでの経験を振り返ると、どんな状況であっても『無心』でグリーンを狙っていたことの方が多いと思います。自分も含めて、マネジメントの基本を知らないゴルファーが多いというのが現実かもしれません」

「ゴルフは成功よりも失敗することの方が多いスポーツであることを知っていれば、プロゴルファーのように『攻め続ける』ことは、アマチュアにとっては無謀なのです」(山口先生)

山口先生 「目の前にあるボールを『何も考えずに打つ』ことから、ライに応じて『考えてから打つ』、さらにその次のショットを見据えて『攻守を選んでから打つ』ようになったというのは、ゴルフの上達に欠かせない素晴らしい進歩だと思います。ゴルフは成功よりも失敗することの方が多いスポーツであることを知っていると、プロゴルファーのように『攻め続ける』ことは、アマチュアにとっては無謀だともいえるわけです。もっとも、賞金を稼ぐためのプロの方が攻守をシビアに選択していますが」

馬を操るように自分の気持ちもコントロールする

記者 「ボールを目の前にして、ピンの方向を見ると、『なんだかいいショットが打てそうな気がする』と思ってしまうのも、またゴルフの罠でもあり、難しさでもあります」

山口先生 「その通りです。『マネジメント』という言葉は、今のビジネスシーンでも『管理』や『運用』という意味で使われていますが、そもそもはラテン語をルーツとして『手を使って馬を操ること』から派生したとの説があります。これをゴルフに置き換えると『自分対コース』という側面だけではなく、『自分対自分』という要素もあると私は考えています。例えるならば、もう1人の自分である『馬』を、上手くなだめながらどのように操っていくかが大切だとも言えるわけです」

記者 「ゴルフは精神的なものが影響しやすい、極めればメンタルだと言われるゆえんですね」

山口先生 「メンタルという言葉は、『意志が強い、弱い』『気持ちが前向きか、後ろ向きか』といった二元論的に語られることは多いのですが、先のたとえに当てはめると、毎打変わる状況に応じて、乗り手と馬とがかみ合わないとうまく前に進んで行けません。体調やショットの調子も含めて、その日の良し悪しはどうしてもでてくるもの。馬とコンタクトしながら攻守を選んでいければ、もう一段階、二段階ステップアップしていけるはずです」

 今回ご紹介したセカンドショットのポイントは、中上級者を目指すためには避けられない必須課題。ドライバーショットをセカンドに繋ぎ、さらにサードショット、そしてグリーン上のパットへと続いていくマネジメントは、まさに「点と点とを結ぶ」ために、どれ1つとして疎かにできないゴルフの面白さであり、難しさでもあるのだろう。

 シングルプレーヤーの証であるスコア70台まで、まだ8打も詰めていかなければならない。未だバックティーから80台すら達成していない、というよりハンデ15以内になれないとラウンドできる条件が得られないことを考えると、目が眩みそうなほどの『絶壁』を感じているのだが…。


(写真:水野浩志)

山口信吾(やまぐち しんご)さん
ゴルフ作家
山口信吾(やまぐち しんご)さん 1943年生まれ。九州大学工学部を卒業後、同大学院を修了。69年に竹中工務店に入社。72年にハーバード大学大学院を修了後、シカゴの大手設計事務所に勤務。75年に帰国し、竹中工務店に復帰。43歳からゴルフを始め、還暦を前に一念発起し、独自の練習法によって2年でシングルを達成した。ベストハンデキャップ8。新聞および雑誌に寄稿多数、ゴルフの著作は14冊にものぼる。現在、「WEBRONZA」(朝日新聞社)において、『ゴルフがある喜びと幸せ』を連載中。

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