パワーと安定の両立は脚からつくる
一方の「ダンベルスクワット」は、スイングの安定を支える脚部の強化のために有効なトレーニングだ。
3~5キロぐらいのダンベルなどを使い、負荷を与えながら行うとより効果的。太もも前面の「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」とふくらはぎにある「下腿三頭筋」といった筋肉は、例えばコースの傾斜に立つときなど、体をしっかり支えるために欠かせない。山口先生の指摘にもあった「インパクトで左ひざが左に流れる癖」によって、骨盤の回転が不足したり、上体がぐらついたりして、ボールの下や上を叩いてしまっていたのだ。
「ゴルフは18ホールを歩き続け、一打ごとに状況が変わるスポーツです。スイングのパワーや安定を生み出すのは、最終的にその土台になる脚力といっても過言ではありません。次にラウンドするときまで、2つのエクササイズで体を鍛えながら、ミスプログラムを修正していってください。もちろん、真向法体操と手首のエクササイズは習慣にしてください」と山口先生。
こうしてゴルフの上達を悩むより前の、最も見過ごされやすい体の動かし方や、脚部の重要性といった基本中の基本をひと通り学んだことになる。
先生から2年でシングルを目指すまでのタイムテーブル(上図)が手渡されたのと同時に、ひと言。
「それと…。シングルを目指すならば、クラブ選びはちょっと考えた方がいいかもしれませんね」

あちゃ~。急ごしらえのように集めた「中古クラブ」と「13年前の骨董品」、そしてゴル友の「借り物」で凌いだ13本のクラブセット。や、や、やっぱりダメですよね…。
早速、新しいクラブに思いを馳せる。カッコよくて、オシャレなアイテムが溢れるゴルフ業界。どうせ買うならT社がいいかな。C社、P社、いやM社もカッコいいかも…。自分の心との闘いはコース外でもますます増えそうだが、大切な一言をもう忘れてしまっている。
「ちょっとした見栄が、ゲームを台無しにする」
(次回は、「運命のクラブをどうやって探すべきか」の予定です。ぜひご覧ください)
(写真:水野浩志)
ゴルフ作家




