ご覧いただければ分かるように、内容の大半はしつこいぐらいの「基本」の確認作業である。
こうしたルーティンを丁寧に、かつテキパキと行うためには、ティーショットを打つまでの間、実は発火しそうなぐらい頭を使う。前回の記事でもご紹介したように、記者はティーグラウンドに上がる前後で「コースのヤーデージとレイアウトを確認」し、次に「グリーンまで2~3打で運ぶパターンをあらかた計算してしまう」ことにした。しかし、せっかくのラウンドであるから、同伴プレーヤーたちとの世間話やゴルフ談笑も捨てがい。さらには、水分を補給したり、スコアを記入したり、クラブやボールを拭く、素振りをする、「ナイスショット!」の声を掛ける、風向きを感じる…などなど。初めてラウンドするコースともなれば、ティーショットまでにこなさなければならならい“業務”は、それこそ日常でこなす仕事をするよりも膨大になる。
「ショットに入る前の動作から意識を変えていくべき」
今回はドライバーでティーショットを打つ時のルーティンに特化してご紹介したが、ゴルフは第1打目からパターでボールをカップに沈めるまで、同じような作業が18ホールで毎打繰り返され続ける。ラウンド終了後、体だけではなく、頭もくたくたになっているワケだ。
山口先生 「自分で決めたルーティンを省略してしまうと、とんでもないミスショットが出ることがあります。例えば、雨や風が強い日などは、早く打ち終えようとしてルーティンを省略してしまいがちです。また、コース上にある視覚的な要素で心理的なプレッシャーが強くかかるときほど、淡々とルーティンをこなすことが大切。こうした所作を丁寧に繰り返すことで、ミスショットを確実に減らしていけるのですから、初心者のゴルファーも含めて、ショットに入る前の動作から意識を変えていくべきなのです」
記者 「たしかに、これまで私自身“ルーティンらしき”はしていましたが、順序と方法がまちまちでした。ですが、『願掛け』のように自分流のルーティンを取り入れたことで、自分でも驚くほどドライバーが安定してきたことを実感しています。失敗するときは決まって、ルーティンの途中で頭の中に余計なことを思い浮かべているときです」