もしも、想定していた距離よりも飛んでいれば“ラッキー!”で、2打目の選択肢がまた1つ増やせると考える。しかし、想定より飛んでいなかった場合は、「ミスを重ねやすいから次打は注意」と警戒をする。これは実際に、山口先生と一緒に撮影でラウンドしているときのアドバイスにもあった。
「ゴルファーがミスしたときの心理は、決まって『距離損を取り戻そう』とすることです。するとこれが面白いことに、また無理をしてミスショットを重ねてしまう。こうした“負の連鎖”に陥らないことが何より大切です。例えば、林に打ち込んだり、深いラフやバンカーに入ったりしたら、まずはしっかりフェアウェイに戻すこと。ゴルフの基本中の基本です」(山口先生)
密集したラフからは「フェアウェイウッド禁止」にした
もちろん、ゴルフにトラブルやミスショットはつきもの。快心のティーショットで250ヤードを超すビッグドライブを放ったとしても、2打目のライが「傾斜地の深いラフ」「ディボット跡(芝が削れたところ)」「樹木がスタイミー(飛球線上に障害物があること)」といった状況はよくあることだ。記者も過去のラウンドで、目の前の木がスタイミーな状況でフルショットしたら、ボールが見事に当たり、80ヤード近く後ろに跳ね返された経験もある(関連記事:『痛恨! 再挑戦の1人ラウンドも「120」の大叩き』)。
よくあるトラブルのケースは、「ラフにつかまった」という状況だろう。そこで、心がけたのが2つ目の決め事である「ミスをする確率が高いショット・クラブは選ばない」ことだ。
記者の場合、ボールが半分まで隠れるような密集したラフからは「フェアウェイウッド禁止」にした。パー5、もしくは400ヤードを超えるような長いパー4の2打目では、どうしても距離を稼ぎたくなるもの。だが、深いラフにつかまっている状況からでは、フェイスがボールとの間にある芝に喰われてミスショットになりやすいことは、過去のラウンドを振り返れば明らかだったのだ。そこで先の山口先生の助言にもあったように、「とにかくフェアウェイに戻す」ことを心がけ、深いラフでは8、9番アイアン、PWから選び、“負の連鎖”に陥らないように努めた。
「ピンの手前から攻める。グリーンに届かず…は許す」
もちろん、どんなに心がけを実行したとしても、結果的にはミスショットは出てしまうものだ。そのミスを無理して取り返そうとすると、ホールの最終舞台であるグリーン周りで悲劇に見舞われることになる。
そこで3つ目に掲げた決め事が、「ピンの手前から攻める。グリーンに届かず…は許す」なのである。
無理を承知でピンをデッドに狙って打とうとすると、無意識に1番手大きいクラブを選んだり、力んだままマン振りのフルショットをしたりしがちだ。するとそんなときに限って、トップやダフリ、あるいは芯を喰ってグリーンオーバー…という結果になる。そこでグリーンの手前に狙いを定めてショットに入る。ライによっては番手を下げる。番手が1つ小さければ、万が一、ひどいトップをしてもグリーン奥まで突き抜けることはない。上手くグリーンに乗れば「ラッキー!」と思い、ショートしたとしても「たくさん練習してきたアプローチを試す機会だ!」と気持ちを切り替える。
こうして前半9ホールを終えた時点で、1バーディ、4パー、4ボギー…の39という結果となったのだ。
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- 自分に基準を設け『攻める』『守る』を判断