鬼編集長の業務命令で、「2年でシングルを目指す」という途方もない目標のゴルフ企画を担当することになった40代記者。今回はスコアを大きく左右するパットについて、ゴルフ作家の山口信吾先生とのラウンドで学ぶことになった。ラインを読む、タッチを合わせる…といった極意を伝授されるのかと思いきや。
プロゴルフの世界には、次のような格言があることをご存じの読者も多いかもしれない。
「Drive for Show, Putt for Dough(ドライバーショットは見世物のため、パターはお金のため)」
この言葉を象徴するような出来事が、つい最近のメジャートーナメントでも起こった。米国ワシントン州のチェンバーズベイで開催された「第115回 全米オープン」(2015年6月18~21日)でのことだ。
うっかり見逃してしまったという読者のために、簡単に説明しておこう。ことは最終日の最終18番ホール、601ヤード・パー5で起こった。最終組のダスティン・ジョンソン(31歳)が、暫定1位(5アンダー)で先にホールアウトしたゴルフ界の若きホープ、ジョーダン・スピース(21歳)を1打差で追う。
たった1打のパットで8856万円がスルリ…
ジョンソンは見事な300ヤード超えのドライバーショットを放ち、続くセカンドでも奇跡的なアイアンショットで、ピンそばおよそ4mにつける。絶好のイーグルチャンスをものにすれば、ジョンソンの劇的な逆転優勝。万が一外したとしても、2パットでプレーオフに持ち込める状況だった。誰しもが逆転でのメジャー初制覇を見届けることを望んでいたに違いない。
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