ラウンドは、初対面の3人という組み合わせだった。1人は50代男性のシングルプレーヤー(ハンデ5)、もう1人は記者と同じ45歳で平均スコア90のアベレージプレーヤー。当日、マスター室前のボードに掲示されていたグリーンスピードは10フィート。8.5~9フィートぐらいが標準なので、10フィートはアマチュアゴルファーには早くて難しい設定に入る。
前半9ホール。ナイスボギー!でスタートした後、久々のラウンドなのにやけに順調だった。7ホールを終えた時点でスコアを集計した瞬間、手が震えた。きっと暗算を間違ったに違いないと思い、何度もラウンドを振り返り、目をこすり、3回も計算し直した。
なんと、ここまでのスコアは「31!!!」。
残り2ホールのパー4と5をどちらもダボ(ダブルボギー)で上がったとしても、44! すわ、「100切りどころか90台前半、いや、このまま行けば80台?」と想像するや否や、急に緊張感が増してくる。
だが、そうは問屋がおろさない。8番ホールはアイランドグリーン(浮島)風。ティーショットをトップし、続く2打目を無理せず池の前まで運んだまではよかったが、3打目を再びトップして池ポチャ…。打ち直しの5打目でグリーンに乗せたものの、ここから3パット…。痛恨の“ダブルパー(8打)”をやらかした。続く、9番のパー5ではトリプルを叩く。スコア47で前半を終えた。
もはやこれまでの実績からは絶望的な状況
午後は、午前の好調とは打って変わり「防戦一方」となった。
コースのすぐ目の前にある成田空港に着陸する飛行機の轟音が響く(会話ができないほどであった)ことはまだいいとしても、「成田名物」だとされる風がひっきりなしに吹きつける。ティーアップしたボールはすぐにこぼれ、ショットが吹け上がれば強風に煽られて、あれよあれよと各所にある池へと吸い込まれる。そのうえ、大雨が降った翌日だったためであろうか、体やボールにハエらしき虫が時折止まったり、いくつかのティーグラウンドではボールの周りに蟻がチョロチョロと歩き回ったりしている。ゴルフは自然との闘いであるワケだが、気が散ることこのうえない…。
我慢に我慢を重ねながら、ようやく17番ホールまで漕ぎつけた。スコアを数えると…43。残り2ホールのパー5と4をパーで上がらなければ、「100超え」が決定してしまう。もはやこれまでの実績からは絶望的な状況であった。
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