鬼編集長の業務命令で、「2年でシングルを目指す」という途方もない目標のゴルフ企画を担当することになった40代記者。自称、「バンカー好き」の記者の思い込みは、はかなくも砂上の楼閣として崩れ去ることに…。今回は、山口信吾先生による直伝の“一発必脱”バンカーショットに取り組んだ。
昨年、13年半ぶりにゴルフを再開(関連記事:「13年ぶりにクラブを手にした40代オヤジでもシングルになれる!? 」)して以来、この連載で指導をお願いしているゴルフ作家の山口信吾先生から唯一、感心されるショットがある。
それが、「バンカーショット」だ。
自分自身でも失敗は少ないほうだと思ってはいたが、山口先生からはときおり、
「バンカーショットだけはシングル級の腕前ですね(笑)」
と、冷やかされることしばしば。打ち出す方向に切り立った壁がある、いわゆる「アゴが高い」バンカーだろうと、1、2打目で打ち込んでしまったグリーンまでずいぶん距離があるフェアウェイバンカーだろうが、さほど苦手意識はない。まして、グリーンを囲むように設けられたガードバンカーからのショットなどは、ワクワクしてピンを狙いたくなるほどだ。
「これまで、だてにバンカーに打ち込みまくってきたわけじゃない」。山口先生にも賞される“美技”の背景について、自分ではこう分析している。
山口先生いわく、「バンカーショットでは、ボールの右手前からしっかりとクラブを砂に打ち込むこと。つまり、“ダフって”振り切ればよいのですから、決して難しいショットではありません」。この連載を開始した当初から、幾度も綴ってきたように、ダフるのはお手のものである。これがいい方に作用しているらしい。「ダフリ王」も、ことバンカーに立てば「水を得た魚」(?)となるのである。
- 次ページ
- バンカーは“コツ”を知っているかどうか