山口先生 「アプローチショットの名称や打ち方については、いろんな人がいろんな呼び方、メソッドを提案しているために、一般ゴルファーの多くが混乱してしまっているのではないでしょうか。私はシンプルに、手首を固めてコックを使わずに打つ『チップショット(Chip Shot)』と、コックを積極的に使って打つ『ピッチショット(Pitch Shot)』の2種類しかないと考えています。これらを区別して練習し、コースでどう使い分けるかが、アプローチショットの精度を上げ、スコアを縮める秘訣だと思っています。ちなみに、ランニングアプローチとは、7~9番アイアンを使った『チップショット』のことです」
早速、山口先生に2つのショットの打ち分ける方法を実演してもらった。まずは「ピッチショット」から。通常のスイングと同じように、これまで学んできた「コック、リリース、リコック」という一連の手首の動きを使ってボールを打つ。
山口先生 「ピッチショットは、砲台グリーン(フェアウェイよりも高い位置にあるグリーン)に乗せるときをはじめ、バンカーを越してピンに寄せるとき、ピンがエッジに近いときなどに使います。アプローチにSW(サンドウェッジ)を多用しているゴルファーを見かけますが、実はこのクラブはHC(ハンデキャップ)5ぐらいの腕前がないと自在に使いこなすのが難しいクラブです。AW(アプローチウェッジ)やPW(ピッチングウェッジ)を基本のクラブとして上げる練習しておくといいでしょう。ピッチショットの基本が身に付いてくれば、クラブの番手を上げ下げして様々な状況に対応できるようになります」
初心者は「上げる」ときにSW(サンドウェッジ)は選ばないこと
山口先生によれば、ウェッジ系のクラブはロフト角が大きくにつれて、芯で打つのが難しくなり、距離も合わせづらくなるのだという。ロフト角が最も大きいSWを使いこなすのが初心者には向かない理由は、ここにある。たしかに記者の場合、ボールを打つことはできても、コントロールするまでには至らない。
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