鬼編集長の業務命令で、「2年でシングルを目指す」という途方もない目標のゴルフ企画を担当することになった40代記者。山口信吾先生が考案したアイデアあふれる基礎練習をみっちりこなし、いよいよ今年初のラウンドに向かった。今回は山口信吾先生の提案で、スコアだけに一喜一憂しないよう、コースの前半を「練習編」、後半を「実践編」に分けてラウンドした。これまでの練習の成果を確認しながら、問題点と解決策を見つけることが目的だ。
次こそ100を切る。100切りなんて通過点…。未だ「110の王」の勲章!? ですら返上できていないのに、まるで呪文か、念仏を唱えるかのように、日々、上達の道筋を思い描いてきた。今ではすっかり習慣となった週3回の練習では、「スパットゴルフ」と「アドレスでの構え」を取り入れ、さらに「傾斜ショット」も繰り返し行ってきた。
そうした成果を試すべく、意気揚々と「打ち初めラウンド」に向かった。コースはいつもの「西宮高原ゴルフ倶楽部」だ。当企画の立ち上げから取材・撮影で惜しみないご協力を頂いているお陰で、関西のコースだというのに、すっかりホームグラウンドになりつつある。
クラブハウスに到着するや否や、記者のはやる気持ちを見透かしていたかのように、指導をお願いしている山口信吾先生から次のような提案があった。
山口先生 「午前のハーフはスコアをつけない練習ラウンドをしてみましょう」
記者 「えっ!? スコアを記入せずにラウンドしてもいいものなのですか?」
山口先生 「もちろん、スコアをつける、つけないはそもそも自由ですよ。ですが、スコアが気になり始めると、練習してきたスイングができなくなるものです。もしもミスショットが出たら、その場ですぐに原因を探ります。前後に回っているゴルファーの流れを見て、余裕があればもう一度打ち直しをしたって、グリーンの手前から打ち始めたっていい(※1)。こうしたコースでの実践練習も上達方法の一つです」
その日の混雑状況などによって、練習ラウンドを許可してくれるコースがあることを記者は初めて知った。