山口先生の練習法にアレンジを加えながら、軸足への加重の比率を左右で少しずつ変えて、様々なライを想定してボールを打ってみる。さらに、ボールの位置を左足側から右足側へ少しずつずらして打ったり、グリップを握る長さを調整して打ち分けてみたり。記者の場合、ミスが多い「左足上がり」を想定した練習では、ボールの位置が左足側(前方)にあるほどトップになりやすく、右足側(後方)だとダフリやすくなることが分かってきた。
「練習した結果は嘘をつきません」
試行錯誤をしていくうちに、コース上で試したくなるたくさんの気づきを「練習ノート」に書きとめた。その一例を挙げると、2軸から1軸に変えることで、スイングしたときのヘッドの軌跡も変わり、「インパクトゾーン(ボールにクラブフェイスが当てられる位置)が小さく、短くなるのではないか?」ということに気が付いた。平らなライからボールを打つときとは意識を変えて、例えば左足上がりでフェアウェイウッドを振るときは、「ボールの位置を左目の前に合わせて、グリップを短めに持つ」ことでミスが減ることが分かった。同様に、ミドルアイアン(5、6I)ならばボールの位置は「鼻筋」、ショートアイアン(7~9I)では「右目の前」に合わせて打つと、会心の当たりが出るようになった。
山口先生からアドバイスしてもらった「軸にする足への加重」「股関節を使って腰を回し切る」ことを念頭に置きながら、「ボールの位置」や「グリップの長さ」にも注意を払う。さらに「5~8割の力でゆったり振る」といった方法を加味することで、傾斜を想定した練習でも臆することなく打てるようになってきた。このように、子ども用の腰掛けを1つ使うだけで、打ちっぱなし練習場でもコースさながらの実践練習が積めるわけである。
もちろん、コースには傾斜ばかりではなく、独特のアンジュレーション(うねり)もあるため、“一筋縄”では行かないことは承知している(つま先上がり・下がりの練習法もまたの機会にご紹介する)。山口先生の励ましの言葉「練習した結果は嘘をつきません」を胸に、与えられた課題を1つずつクリアしていくだけだ。
記者が練習打席に持ち込んでいる子ども用の腰掛けは、
笑顔のアンパンマン
のイラスト入りで、行きつけの練習場でもすっかり“話題の人”になってしまった…。周りの人たちから向けられる不思議そうな視線だって、上達に通じるのだと信じれば意外に気にならないものです(笑)。
早く、いい夢が見られますように…。
次回は、「いよいよ『100切り』の手応えをつかんだ!」をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。
写真/水野浩志
ゴルフ作家

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