鬼編集長の業務命令で、「2年でシングルを目指す」という途方もない目標のゴルフ企画を担当することになった40代記者。前回の「アドレスの見直し」や「スパットゴルフ」といった山口信吾先生が考案した基礎練習に続いて、今回もアイデア溢れるメソッドの第2弾をご紹介します。初心者はもちろん、上級者にとっても難しいとされる「傾斜ショット」を、お風呂で使う子ども用の「腰掛け」を使って克服していきます。
2月が始まったというのに、年明けからどうも「夢見が悪い」ことが続くのである。「疲れだ!」「ストレスだ!」と一言で済ませるのは簡単なのだが、症状はきっと想像しているよりも深刻なのかもしれない。というのも、
夢の中でミスショットをした瞬間に、目が覚める日が増えているから
である。そのほとんどが傾斜からの失敗で、ボールが池に大しぶきを上げて落ちたり、ダフって芝にボッコリと大きな穴が空いたりする光景が夢に出てくるのだ。ある晩などは、すっぽ抜けたフェアウェイウッドが空に向けて高々と舞い上がっていくリアルさで、目覚めたらフォロースルーの形のまま両手をバンザイしていた。かなり重篤な“ゴルフの悪夢”から回復するには、もはや「上達」というクスリしかないわけなのだが…。
ラウンドをしていると毎度出くわす状況なのに、打ちっぱなしであまり練習できないのが「傾斜ショット」だろう。コース上では、左足の「上がり」「下がり」のライに加えて、つま先の「上がり」「下がり」もある。例えば、先の二つが複合した「左足下がり、つま先下がり」のような足元から、スコアの半分近くを打つことになる。1打ごとに「体のバランスが崩れやすいライ」でスイングし、しかも狙った所に「ひと振り」でボールを運ばなければならない。ここにゴルフの難しさと醍醐味がある。
投資額100円、子ども用の風呂腰掛けで傾斜ショットを克服!?
いわずもがな、記者をはじめとした初心者ゴルファーの多くが、こうした「ライの罠」にハマる(はずだ)。「左足上がり」の打ち上げではダフりやトップが頻発したり、傾斜のきつい「つま先上がり」では思い切り引っ掛けて左へ行ったり。面白いもので、ミスショットしたボールのほとんどが、まるで待ち構えていたかのように「OB」「池」「バンカー」へと吸い込まれていく。
そこで、前回(「ボウリングの基本技術でアドレスを見直す」)に続く「山口流メソッド その2」は、打ちっぱなし練習場で「傾斜ショット」を克服する方法をご紹介しよう。用意するものはなんと! 家庭の浴室で使う子ども用の「腰掛け」だ。100円ショップなどでも購入できる。
左足上がりを想定したときには左の足元に、左足下がりであれば右の足元に、先の腰掛けを置く。座面に片足を置いて、傾斜に合わせた構えをとり、傾斜ショットの練習をするわけだ。「高さは15~20cmぐらいがちょうどいい。子ども用の腰掛けがなければ、不要になったマンガ雑誌などを2~3冊重ねて踏み台にしてもいいです」(山口信吾先生)。
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- 傾斜ショットは片脚を軸にしてスイングする