ホール設計者の術中にはまった訳
年が明けて間もなく、「感想戦」の一環として、ラウンドノートを開いて直近のスコアカードを見直していると、ハタと気づいたことが2つある。まずは、スタートホールで「パー」を取れたラウンドよりも、「ボギー」だったときの方が「総じてスコアが良い」ことがわかった。これは恐らく、最初のつまずきから、その後は「用心深く行こう」「丁寧に打とう」とする心理が働くからだと考えられる。
もう一つは、スコアカードの横に示される「ハンデ」の数字が小さいホールほど、ダブルボギーやトリプルを叩いていることが多いことが分かった。これまでラウンドしたコースを思い起こせば、ハンデが1や2、3といったコースは、きついドッグレッグや急なアップダウン、狭いフェアウェイや難しいグリーンなど、“曲者揃い”であることが多い。

つまり、難しいホール設定をスコアカードが教えてくれているにもかかわらず、無警戒のままで「まんまと罠にはまった」という可能性が大きいともいえるのだ。それを証拠に、先にお伝えした打ち納めで100を叩いたラウンドでは、4パットをしたパー3は「ハンデ2」、続くギブアップのパー4は「ハンデ1」のホール。「落胆した後にトドメを刺された」とでも言えるような、ホール設計者の術中にはまった訳である。
「心(精神)」があっても「技(基本)」が伴わなければ上達は望めない。「技」があっても、「心」がなければスコアにならない。いわんや、心と技とともに、18ホールを乗り越える「体(体力)」がなければゴルフにならない。
まさしく、ゴルフが「心技体を求められる究極のゲーム」だと言われる所以である。
「落ちるところまで落ちたら、後は登るだけ」
と、心を入れ替えて、2016年は前に突き進もう。さてはて、「打ち初め」は「吉」と出るか、「凶」となるか。
本年も引き続き、ご声援のほど、よろしくお願いします。
(写真:水野浩志)
ゴルフ作家
