日経グッデイ

金哲彦式ウォーキング術 目指せマイナス10歳ボディ!

“三大筋肉”を目覚めさせる「体幹エクササイズ」【肩甲骨ウォームアップ】

ウォーキングの腕振りが快適に

 高島三幸=ライター

 ウォーキングを始める前にウォーミングアップとして行う「体幹エクササイズ」。前回まで3回連続で、筋肉をほぐして本来の動きやすい状態に戻す、肩ほぐし背中ゆるめ腰ねじりという3種類のストレッチを紹介してきた。今回からは、背中・お腹・お尻にある体幹の三大筋肉の働きを目覚めさせる3種類のエクササイズを紹介していく。まずは、ストレッチでこりを取り除いた肩甲骨まわりの筋肉の動きを目覚めさせるエクササイズからだ。

 「僧帽筋など肩甲骨周辺の筋肉がスムーズに動けば、ウォーキングの時にムダな力を使わなくても、楽に腕が振れるようになる」と金さんはいう。特に猫背気味の人や肩こりがひどい人は、この動きをしっかり行い、習慣化したい。腕振りの時に肩が上がったり、肩が前傾したりといったクセがとれて、正しい姿勢でウォーキングができるようになる。

 

 肩甲骨周辺の筋肉を動かしやすくするには、「肩甲骨を大きく回す」運動を行う。まずは、足を軽く開いて正面を向いて真っすぐ立ち、肘を軽く曲げてみよう(写真1)。この時、「肩を上げたり、腕を後ろに引きすぎたりしないように注意しましょう」(プロ・ランニングコーチの金哲彦さん)。

 次に肩の力を抜いてから、肘を大きく前から後ろに回すように動かす(写真2)。肩甲骨周辺の筋肉を動かし、関節の可動域を広げる効果がある。この時、肩を回すのではなく、肘を大きく回すようなイメージでやってみよう(写真2)。肩甲骨が大きくしっかり動いていることを確認しながら、前から後ろにゆっくりと10回回す(写真3、4)。肩には余計な力を入れず、リラックスした状態で行うと良い。

写真1~4◎ 肩甲骨まわりの筋肉を目覚めさせるエクササイズ
(1)足を軽く開いて正面を向いて真っすぐ立ち、肘を軽く曲げる。
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(2)肩の力を抜いてから、肘を大きく前から後ろに回すように動かす。
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(3)肩甲骨が大きくしっかり動いていることを確認。
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(4)ゆっくりと10回回す。
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動かしにくい人は指先を肩に置く

 このエクササイズでよくあるNGの例は、肩甲骨を回す時に肩が上がってしまうことだ(写真5)。こうなると力が入り過ぎて肩甲骨が動きにくくなるので注意したい。また、「猫背の場合や、肩や肩甲骨の周辺の筋肉や関節が硬い人は、肩甲骨周辺をうまく回すことができず、腕が上半身の前にきて回してしまいがち」と金さん(写真6)。これでは肩甲骨の周囲を動すことができず、効果がない。エクササイズは背筋を伸ばして行うように注意しよう。

写真5◎ 肩が上がってしまった悪い例
力が入って肩甲骨が動きにくくなるので注意したい。
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写真6◎ 猫背で行っている悪い例
これも肩甲骨の可動域を狭めてしまい、十分なエクササイズにならない。
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 肩甲骨周囲を大きく動かせなかったり、痛みがある人は、指先を肩に置いて、肘で前から後ろに大きな円を描くように10回動かしてみよう(写真7、8)。「これは肩が上がらないようにする効果もある」と金さん。肘を上から下ろす時に、後ろ向きに大きく動かすように意識すれば、肩甲骨がしっかりと動く。反動をつけずにゆっくりと丁寧に行うことがポイントだ。

写真7、8◎ 肩甲骨が動きにくい人にお勧めのエクササイズ
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指先を肩に置いて、肘で前から後ろに大きな円を描くように10回動かす。肘を上から下ろす時に、後ろ向きに大きく動かすよう意識しよう。

 この方法で毎日繰り返し、肩甲骨周辺が軟らかくなってきたら、通常の肩甲骨のウォームアップを試してみよう。

 次回以降は、腹筋や臀部が鍛えられるウォームアップを紹介します。

(写真:竹井俊晴)

金哲彦(きん てつひこ)さん
プロ・ランニングコーチ
金哲彦(きん てつひこ)さん 1964年生まれ。早稲田大学在籍時に箱根駅伝で4年連続で山登りコースの5区を担当し、区間賞を2度獲得した。現在は、五輪出場選手向けのランニング指導から、一般向けのウォーキング指導まで、幅広い層に向けたコーチングを行っている。駅伝やマラソンの解説者としても活躍している。