ウォーキングを始める前にウォーミングアップとして行う「体幹エクササイズ」。前回まで3回連続で、筋肉をほぐして本来の動きやすい状態に戻す、肩ほぐし、背中ゆるめ、腰ねじりという3種類のストレッチを紹介してきた。今回からは、背中・お腹・お尻にある体幹の三大筋肉の働きを目覚めさせる3種類のエクササイズを紹介していく。まずは、ストレッチでこりを取り除いた肩甲骨まわりの筋肉の動きを目覚めさせるエクササイズからだ。
「僧帽筋など肩甲骨周辺の筋肉がスムーズに動けば、ウォーキングの時にムダな力を使わなくても、楽に腕が振れるようになる」と金さんはいう。特に猫背気味の人や肩こりがひどい人は、この動きをしっかり行い、習慣化したい。腕振りの時に肩が上がったり、肩が前傾したりといったクセがとれて、正しい姿勢でウォーキングができるようになる。
肩甲骨周辺の筋肉を動かしやすくするには、「肩甲骨を大きく回す」運動を行う。まずは、足を軽く開いて正面を向いて真っすぐ立ち、肘を軽く曲げてみよう(写真1)。この時、「肩を上げたり、腕を後ろに引きすぎたりしないように注意しましょう」(プロ・ランニングコーチの金哲彦さん)。
次に肩の力を抜いてから、肘を大きく前から後ろに回すように動かす(写真2)。肩甲骨周辺の筋肉を動かし、関節の可動域を広げる効果がある。この時、肩を回すのではなく、肘を大きく回すようなイメージでやってみよう(写真2)。肩甲骨が大きくしっかり動いていることを確認しながら、前から後ろにゆっくりと10回回す(写真3、4)。肩には余計な力を入れず、リラックスした状態で行うと良い。
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