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金哲彦式ウォーキング術 目指せマイナス10歳ボディ!

こんな歩き方になっていませんか?

体幹を使えているかどうかは歩き方で分かる

 高島三幸=ライター

 なお、前から見た理想的なフォームは写真11のようになる。

写真11◎ 体幹を使った理想的なフォーム

 悪い歩き方をいくつか挙げてきた。自分の歩き方に近いタイプはあっただろうか。「自身では分かりにくいので、家族や友人にチェックしてもらうといい」と金さんはアドバイスする。

 では、理想の歩き方とはどのようなものだろうか。次回からは、金さんが推奨する「体幹」を使った歩き方を紹介しよう。

(写真:村田わかな)

金哲彦(きん てつひこ)さん
プロ・ランニングコーチ
金哲彦(きん てつひこ)さん 1964年生まれ。早稲田大学在籍時に箱根駅伝で4年連続で山登りコースの5区を担当し、区間賞を2度獲得した。現在は、五輪出場選手向けのランニング指導から、一般向けのウォーキング指導まで、幅広い層に向けたコーチングを行っている。駅伝やマラソンの解説者としても活躍している。
体力の若返りには速歩が有効

 ウォーキングは若々しい体を作るために、どれほど有効なのか。この研究テーマに1997年から取り組む、信州大学大学院医学系研究科教授の能勢博氏に聞いてみた。「人は誰でも年をとると特に下半身の筋肉量が減っていきます。この下半身の筋肉の衰えが、身体能力の低下だけでなく、高血圧や高血糖、肥満、脂質異常症などの生活習慣病を招くという考えが世界のスポーツ医学会の潮流になりつつあります」と能勢氏は話す。

 加齢による筋肉量の低下を測定した、ある研究結果を見てみよう(図A)。これはスポーツ医科学分野で権威のある教科書に掲載されたもの。平均的に最も筋肉量が多い20歳の大腿筋(太もも)の断面積を100とすると、40歳で約90、60歳で約70、80歳で約50と、40歳を境に一気に筋肉量が減っていく。

図A◎ 太ももの断面積は加齢とともに減少する
20歳の大腿筋の断面積がピークとなり、40歳で約90%、60歳で約70%、80歳で約50%と、一気に筋肉量が減っていく。これが30%を切ると、日常生活に支障が出るという。(Astrand PO & Rondahl K. Textbook of Work Physiology. McGraw-Hill. NY. p343. 1986を基に能勢氏が一部改変)

 また、WHO(世界保健機構)などで要職に就いていた、著名な研究者であるイローナ・キックブッシュ氏による類似の研究では、加齢による身体活動量の変化が、先ほどの筋肉量の低下曲線とほぼ同じカーブを描くことを確認している。身体活動量とは、立ったり、歩いたり、腕を曲げたりなど、1日当たりの活動の量を示し、言わばその人の体力に相当する指標である。「専門家の間では、その値が20代の頃の最大値の30%を切ると、日常生活に支障が出ると認識されている」(能勢氏)という。

 効率的に体力を向上させられる運動を調べていた能勢氏は、最終的に、全力の7割程度の速さで歩く速歩と、通常の歩きを3分おきに繰り返す「インターバル速歩」に注目。2003年に長野県松本市で246人の中高年者を対象とした実証実験を行い、膝の屈伸力が17%、有酸素運動の能力を示す最大酸素摂取量が10%増える効果を確認した(図B)。一方で、「全力の4割程度になる通常の歩き方では、1日に1万歩歩いても、それほど体力の若返り効果は確認できなかった」(能勢教授)。

図B◎ 脚の筋肉強化や運動能力の向上につながるインターバル速歩
信州大学が行った実証実験では、「インターバル速歩」によって、膝の屈伸力が17%、有酸素運動の能力を示す最大酸素摂取量が10%増えた。一方、通常の歩行ではほとんど効果が見られなかったという。この実験では、長野県松本市に住む平均年齢64歳の中高年者(男60人、女186人)の協力を得て、それぞれのトレーニングを5カ月間実施し、その効果を測定した(2003年)。

 このような速歩を無理なく行うには、体幹を活用した歩き方が役に立つ。インターバル速歩の具体的な方法については、また追って紹介しよう。(稲川哲浩=日経Gooday)

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