ゆっくり長く歩いて“燃える体”に
そこで今回からは、「速さ」と「距離」を使い分けて、それぞれに異なる効果が得られるトレーニング方法を紹介したい。まずは、長い時間ゆっくりと歩き続ける「LSD(ロング・スロー・ディスタンス)」だ。そもそもLSDとは何だろう。
「LSDは、もともとゆっくりしたペースで長時間走るランニング練習であり、ウォーキングのトレーニングにも十分役立ちます。軽い負荷を長時間かけ続けることで、足腰が鍛えられます。また、血流の循環が上がることで毛細血管が拡張する、心肺機能が向上する、脂肪が燃焼するといった効果が期待できます。疲れにくい体になり、ケガの予防にも役立ちま す」(金さん)。
LSDは、ゆっくり丁寧に行う筋トレの方法の1つ「スロートレーニング」と同様に、長い時間、筋肉にじわじわと刺激を与え続けることで、有酸素運動時に使われる「遅筋(ちきん)」を鍛えられる。遅筋はその名からも想像できる通り、日常生活での動きをはじめとする「ゆっくりした動きを生み出す筋肉」のこと。全身の70~80%を占めるともいわれており、脂肪を効率的にエネルギーとして使う役割もある。
つまり、遅筋の衰えを防ぎ、また日常から刺激しておくことは、「太りにくい体」「疲れにくい体」を手に入れることだともいえる。