体幹を効果的に使うことで楽に歩くことができ、体つきから若々しくなる「体幹ウォーキング」。プロ・ランニングコーチの金哲彦さんが提唱する「体幹ウォーキング」の理論は「腕振り」「骨盤回旋」「着地」「重心移動」の4つの要素から構成される。今回は、その集大成となる「重心移動」をマスターして、体幹ウォーキングを完成させよう。
「体幹ウォーキング」の実践編もいよいよ大詰め。今回は、体幹ウォーキングをマスターするために必要な4つの要素のうち、最後のポイントである「重心移動」を紹介していきたい。
重心移動をスムーズに行うコツは、「足裏の使い方」にある。「そもそも足裏のメカニズムは、つま先を正面に向けてかかとの真ん中を地面に接地させたら、足裏の『外側』『拇指球(ぼしきゅう)』の順に、重心が瞬時に移動していくようにできている。こうした本来のメカニズムを上手に使うことが今回のレッスンの狙いです」とプロ・ランニングコーチの金哲彦さんは解説する。
足裏には、「アーチ」と呼ばれる「外側の縦アーチ」「内側の縦アーチ」「横アーチ」の3つからなる機能がある(イラスト参照)。ちょうど「おわん」をかぶせたような状態で、互いを支えながら、足を蹴りだす力(バネ)を生んだり、地面や体からのの衝撃の緩和(クッション)を担ったりしている。
しかし、上半身をアンバランスに使っていたり、骨盤や脚部のゆがみが加わったりすると、足裏の「内側の縦アーチ」「外側の縦アーチ」のどちらかだけに負荷がかかる。長く歩き続けると、土踏まずに痛みが出たり、歩き疲れを起こしやすいのはこのためだ。そこで、体幹ウォーキングでは、「かかとの真ん中 」「足裏の外側」「拇指球」の順番に重心を移す、本来のメカニズムを引き出して、特定のアーチにかかる負荷を分散させていくのだ。