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世界の健康 早耳ダイジェスト

【ロンドン発】穀物ブームと食生活の階級差

夫婦でビジネス化した「発芽穀物」が健康食の話題を牽引

 冨久岡ナヲ=ロンドン在住ライター

「オーガニック食品なんて、気取った金持ちの食べ物だと思っていた」

 しかしながら、グレイン・ブームを支えているのは主に、食を含めた健康管理への意識が高い中流階級から上のファミリー層だ。英国はいまだに階級社会だといわれるが、下層になるほど肥満率が上がる。この層は健康と食生活を関連づけて考える意識が希薄だとされる。グルメな料理番組を単なるエンタメとして見ながら出前のピザを食べる、料理はしない、レストランでの外食は高くつくからインスタント食品やジャンクフードが常食―このようなライフスタイルが一例だ。

米国から来た大型自然健康食品店の「ホールフーズ」。ロンドンに5店舗あり中流層の御用達である。。訪れる客の大多数は中流層たちだ。日本円で500~1000円ぐらいの価格帯のミューズリやシリアルが人気を集めている。
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定番の朝食であるポリッジ(粥)を作るオーガニック・オーツ麦が山積みセールで売られている。5割引で1キロ1.99ポンド(日本円で371円前後)。水で煮て牛乳とシロップ、ジャムなどをかけて食べる。
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 対照的に、中流層の多くはできるだけ家庭で料理する。栄養バランスの取れた献立、オーガニック・フードなどに関心を持ち、さまざまなレシピを試してみる。運動も欠かさず、肥満率は低い。英国で、その地域が貧しいエリアかどうかを知るには、「道を歩く肥満者とファストフード店の数で判断できる」と言われるくらい健康への意識と食生活の階級差も大きい。

 「少々値段が張っても体によくておいしい食べ物を買う、という人はいまだに英国国民の5%しかいません。たまに買う人も含めれば10%です」とバーナード夫妻。「私たちのビジネスはそうした少数派を対象に成長しているわけですが、購買層自体も少しずつ拡大しています」と続ける。「インスタントやジャンクフードを食べて何が悪い」「病気になれば無料の国民医療制度で治してもらうから結構!」と居直る労働者階級の中からも、食に関心を向ける転向組が現われているのだ。

 その中心にいるのは、増え続けるアレルギー症患者たちだ。

 農薬や遺伝子組み換えなどによって大量生産された穀物、人工添加物満載の加工食品の普及が、この50年間に急増した食アレルギーの原因の1つともいわれる。そう聞いて不承不承、ルード・ヘルスの商品を試してみた、というアレルギー症の男性から「オーガニック食品なんて、気取った金持ちの食べるものだと思っていたが、実はインスタントよりずっとおいしい。アレルギー症状も出ず驚いた」というメールが届いたと喜ぶニックさん。穀物は英国国内でも、必需食品の中でも中心的な存在であるだけに、階級を越えてヘルシーな食生活をアピールする力がある、と笑顔を見せた。

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