
【タイ発】仕事の前後にゴルフ、「適度な運動」と「気軽さ」を満たす
バンコク近郊に40コース、中間層の増加で健康市場にも追い風
梅本昌男=バンコク在住ライター
一方、ダイエットや運動不足の解消ために、女性のゴルファーも増えつつある。現在、ゴルフ人口のおよそ3割を占めるともいわれており、おしゃれなゴルフウエアやアクセサリーの登場なども追い風になったようだ。また、女性ゴルファーの増加は、日中の強い陽射しから身を守る「UVカットのクリーム」や、肌の回復を促すとされる「ビタミンC」のサプリメントなど、ゴルフにかかわる健康関連商品の市場拡大にも少なからず影響を与えているとされる。
2012年にオープンしたバンコク近郊にある『ロイヤルジェムス・ゴルフシティー』。世界の名門コースを再現したホールが楽しめる。タイの地形的にフラットなホールが多いのが特徴だ。
シディパ・チョットチュイサティットさん(43歳・女性)は、リハビリ科のドクターでゴルフ歴3年。当時、ゴルフで肘などを痛める患者が増えていたため、その原因を探ろうと思い、自分の健康増進を兼ねてゴルフを始めた。
「実際に始めてみたら、自分の性分にすごく合っていました。なによりストレス解消になるし、緑の中で過ごすことでとても癒されます。健康にはとてもいいですね」(チョットチュイサティットさん)
今後もタイ国内は、中間層人口が引き続き増えると予想されている。健康志向を併せ持つ層の拡大によって、首都バンコクを中心としたゴルフ人気は、これから“日の出の勢い”を迎えるかもしれない。
次世代の中間層の担う子どもゴルファーも増加
今、バンコクのコースでゴルフに興じる親子を見かけるのは珍しいことではない。そういった子どもゴルファーの中には、趣味を超えて、真剣にゴルフに取り組む子たちも出てきている。『ラッセルノ・ゴルフ・スタジオ』は子供ゴルファー育成に力を入れているスクール。ここに通うタイ人と日本人のハーフの立松里奈ちゃんは、イギリスの大会で何度も優秀するなど世界的に活躍している。彼女以外にも、海外の試合で活躍するタイの子供ゴルファーが現れているとか。毎週末、様々なジュニアの大会が開かれている。
タイ・日本のハーフで世界的に活躍する立松里奈ちゃん(写真左、右から2人目)。中間層の第2世代にあたる子どもゴルファーたちも増え、レベルが上がっている。