サーフィンとバイクの意外な相性
今もウィンドサーフィンの聖地とされ、世界中からウィンドサーファーが集まる特別な存在であるノースショアの「ホオキパビーチ」。その近くにある町、カフルイで長年「アイランド・バイカー・マウイ」というバイク専門店を経営するのがボブ・ヌーニーさんだ。
「マウイ島は“風の島”と呼ばれるほどいい風が吹き、ウィンドサーフィンの世界大会も開かれる場所だけれど、風がないときもある。自然には逆らえないからね。そんなとき、ウィンドサーファーたちはバイクで足腰を鍛えているんだよ。島の道のアップダウンが、下半身の強化のためのバイクでのトレーニングに最適なんだ」(ボブさん)
自然に囲まれた島内をバイクで走り続けるだけで、島民にとっては立派なエクササイズになることも、やはり魅力的なのだ。
マウンテンバイク専用の施設もオープン
エクササイズを目的に使われるのはロードバイクが主流だが、その一方で、自然の中を走り回れる楽しさが魅力のマウンテンバイクも人気を集めつつある。そのきっかけにもなったのが、2014年にオープンした「マウイ・バイク・パーク」だ。バイクのサスペンションで有名なメーカー「ロック・ショック」の創業者、ポール・ターナーさんが設計したという本格コースである。
施設の誕生をきっかけに、マウンテンバイクを楽しむ新たな層が、子どもから大人まで、さらに学校、地域にまで広がった。週末ともなればパーク内は家族連れでにぎわう。取材をした当日も、子どもたち数十人が引率の先生と一緒にマウンテンバイクを楽しんでいた。聞けば、バイククラブが学校にできたのだという。
これまでハワイならではのエクササイズといえば、文化的な学びを持ち合わせるフラや、自然の中で心身を一体にさせるヨガ、さらに海でのサーフィンやウィンドサーフィンといったものが中心だった。だが、今のバイクブームがさらに広がり、ハワイ住民全体の健康志向にも拍車がかかれば、やがて、「バイク」がハワイらしさを象徴するエクササイズの一つに加わっていくかもしれない。