現在12歳の息子は、先天的な疾患で障がいを抱えています。そのため、ある大学病院にずっとかかっていて、形成外科で10回以上も手術を繰り返しているのです。数年前からは、形成外科に耳鼻科のドクターも加わり、定期的な診察を受けながら、手術を繰り返している状況です。
担当している形成外科医も耳鼻科医も、日頃はとても冷静なドクターで会話も成り立つのですが、手術前の説明になると難解な医学用語を並べ立てて話されるので、まったく理解ができないのです。そもそも手術を繰り返していることに不安が大きいので、できるだけ手術の内容は理解したうえで同意をしたいと思っています。そのため、わからない説明内容は質問したいのですが、質問すると二人とも怒り出してしまうのです。とても威圧感のある怒り方をされるので、つい尻込みしてしまい、結局理解できないまま手術になることが多いと感じています。

2週間前には、耳のなかに皮膚を移植する手術を受けたのですが、退院する直前の診察で「自宅でも毎日、耳のなかの棉を入れ換えてください」と言われたので、「どのぐらいの量を入れればいいのでしょうか」と尋ねました。すると、怒ったような口調で「常識の範囲内」と言われてしまい、それ以上聞くことができませんでした。
そのため、手術の前後はいつもドクターたちとの関係性が悪くなってストレスを感じます。ほんとうは別の病院にかわりたいというのが本音ですが、あまりにも専門分野の治療が必要なので、転院するとしたら遠く離れた東京の大学病院に行くぐらいしか方法がありません。このまま我慢するしかないと思う一方で、この先まだ何回も手術を受ける必要があることを考えると、気分は滅入る一方です。
かといって、病院に強く苦情を言えば、息子への対応が悪くなるのではないかと心配なので、声をあげることも憚られます。ドクターのプライドを傷つけることだけは避けたいので、結局は私が気持ちを抑えればいいのだと自分に言い聞かせているのですが、時折、気持ちが萎えてしまって……。そんなときは、話を聴いてもらうだけでも楽になるので、またお電話してもいいでしょうか。
大学病院のような大きな組織で、まだこのような高圧的な対応をしているのかと思うとがっかりします。もしかしたらとても専門性の高い手術で、わかりやすく説明をするということ自体が難しいのかもしれません。
それをうまく伝えられず、感情的になってしまっている可能性もあると思いました。ただ、説明の場にはナースが同席することも増えてきていますので、質問をした患者・家族に怒り出すドクターがいれば、組織として問題視する体制は整っていないのだろうかと疑問を覚えました。
子どもさんが患者ということで、子どもの不利になるようなことはしたくないという気持ちはわかりますが、だから我慢するしかないというのもどうかと思います。せめてドクターの性質をよく知っているナースに相談という形で持ちかけて、どうすればきちんと質問に答えてもらえ、手術の内容を理解して受けることができるのかよく話し合ってみてはどうかとお伝えしました。
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