私(68 歳・男性)は、3年前の人間ドックで心臓の弁の動きが悪いと指摘され、それ以来、ある病院の循環器センターを定期的に受診してきました。ところが、4月ごろから胸に痛みを感じるようになり、予定外で受診したところ、「症状が出始めたのなら治療を急がないといけないこともあるので、まずは検査入院しましょう」と言われました。そして、入院して精密検査を受けた結果、大動脈弁狭窄症で手術が必要と診断されたのです。

それまで循環器センターで診てもらっていたのは循環器内科医なのですが、「センターには安心できる心臓血管外科医がいるから安心してください」と言われました。また、検査入院中に同室になった患者さんも「同じ先生から手術を受ける予定。あの先生は遠く離れた他県からも手術を受けに来る患者さんが大勢いる有名な方なので、たまたま担当になってもらったなんてラッキーですよ」と言われ、私はすっかり安心していました。
その後、心臓血管外科医の診察を受けたのですが、「症状が出ているし、手術は早いほうがいいですよ」「放置して電車のホームで具合が悪くなって転落でもしたら、他人まで巻き込んでしまいますからね」などと言われ、手術を受ける決意が固まりました。すぐに手術予定日も決まり、それからは順調に必要な検査のスケジュールをこなしていました。
そして、手術予定日の3日前に入院し、家族への術前の説明も済ませた手術前日、最終確認のため口からカメラを飲み込んで食道から心臓を見るエコー検査がおこなわれました。ところが、そのとき肺にカゲが見つかったのです。私は以前、肺炎を起こしたことがあるので、そのときのものではないかと言ったのですが、「はっきりと何かわかるまでは手術はできません」と言われ、翌日の手術は延期になってしまいました。