日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > COML患者相談室  > お得な脳ドックだと思ったら
印刷

COML患者相談室

お得な脳ドックだと思ったら

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2015年4月号からの転載です)。

 私(42 歳・男性)は、数ヵ月前から頭痛が起きるようになり、気になって一度脳ドックを受けてみようと思い立ちました。そこで、インターネットで脳ドックが受けられるところを検索すると、たくさんの候補が挙がってきました。なかでも、オープンしたばかりのある検診センターは、「オープン1年以内は20%オフ」の3万円で、さほど待ち時間がかからず受けられることがわかったので、予約しました。

「オープン1年以内は20%オフ」の宣伝文句にひかれて受診した人間ドックだったが…(©epstock-123RF)

 検査当日、検診センターに行くと、問診もなくいきなり脳のMRI検査となり、撮影が済むと「どうぞ、お帰りください」と言われました。10日ほどして、検診センターから郵便物が届き、開封してみると1枚の紙切れとCDが入っていました。紙切れは脳ドックの結果になっているのですが、いくつかの項目がチェックリスト方式になっていて、最終判断が「正常」だったことしかわかりません。診断したドクターの署名すらありませんでした。

 CDには画像をパソコンで見る方法は解説されていましたが、画像を見ても専門家ではないので、読影できるはずがありません。このような結果の知らせ方では、ほんとうに正常だと受け止めていいのかどうかもわからず、むしろ不安が高まってしまいました。

 最初は「20%オフ」に“お得感”を覚えて受けたのですが、いまとなっては3万円も払ったのに、と騙された気分です。こんないい加減な脳ドックのあり方が許されるのでしょうか。

COMLからのアドバイス

 インターネットによる広告のあり方については、国民生活センターにも多くの苦情が寄せられていて、厚生労働省の「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」で問題になったことがあります。

 医療法では、原則として医療機関のホームページは広告の規制の対象外と見なしているのですが、検討会で議論を重ねた結果、「ホームページの適切なあり方について指針(ガイドライン)を定める必要がある」との結論に至り、2012年6月にガイドラインが発表されています。まずはガイドラインで注意喚起し、それでも悪質なホームページが後を絶たないようであれば、つぎの段階として法規制を検討するという方向性での議論でした。

 ガイドラインでは「不当に患者を誘引する虚偽又は誇大な内容等のホームページに掲載すべきでない事項」が定められていて、具体的な問題となる表記例が記されています。その一つに「早急な受診を過度にあおる表現や、費用の過度な強調」という項目があり、「ただいまキャンペーンを実施中」「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」といった表現は記載すべきでないと記されています。

 今回のご相談内容も厚生労働省の担当者に確認したところ、「広告可能項目から外れていると思われるので、直接の指導担当窓口である検診センターを管轄している保健所に相談してください」とのことでした。

 実際に多くのホームページは行政のチェック機能が働いているとは言えず、同様の謳い文句が散見されます。私たち医療の受け手の側も、甘い言葉に簡単に飛びつかない慎重な姿勢が問われているのだと思います。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
日経グッデイ春割キャンペーン

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 肩の痛みから高血圧まで、「姿勢の崩れ」は様々な不調の原因に

    「姿勢」が、肩こりや腰痛の原因になることを知っている人は多いだろうが、足の痛みや高血圧、誤嚥性肺炎まで、全身の様々な不調・疾患の原因になることをご存じの方は少ないかもしれない。これまでに掲載した人気記事から、姿勢と様々な病気・不調との関係について知っておきたいことをコンパクトにまとめた。

  • あなたも「隠れ心房細動」?! 高齢化で急増する危険な不整脈

    脈の速さやリズムが乱れる「不整脈」。その一種である「心房細動」は、高齢化に伴い患者数が増加しており、潜在患者も含めると100万人を超えると言われている。心房細動の怖いところは、放置すると脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性があることだ。本記事では、心房細動の症状や早期発見のコツ、治療のポイントなどをコンパクトにまとめた。

  • 変形性膝関節症のつらい痛みを改善する運動とは?

    年を取ると多くの人が感じる「膝の痛み」。その原因で最もよくあるケースが「変形性膝関節症」だ。膝が痛いと外出がおっくうになり、体を動かす機会が減るため、そのまま何もしないとますます足腰が衰えてしまう。だが実は、変形性膝関節症の痛みをとり、関節の動きを改善するために有効なのが、膝への負担を抑えた「運動」なのだ。ここでは、膝の痛みが起きる仕組みから、改善するための運動のやり方までをまとめよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設 日経Gooday春割キャンペーン

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.