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COML患者相談室

いったん非を認めておきながら翻意

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2016年4月号からの転載です)。

急に膝の強い痛みを訴えた母。初めにかかった整形外科では「異常なし」だったが…。(©imtmphoto-123rf)

 75歳の母が急に膝の強い痛みを訴え、近くにある総合病院の整形外科を受診しました。 MRI検査を受けたのですが、整形外科医は「何の異常もありませんから、齢のせいでしょう。痛みには、痛み止めの薬は出しておきましょう」と診断名もつけず、鎮痛薬を出す以外に何の治療もしてくれませんでした。

 4カ月ぐらい様子を見ていたのですが痛みはまったく改善しないのに、整形外科医は何の対処もしてくれません。そこで、思い切ってセカンドオピニオンを受けたいと整形外科医に伝え、4カ月前に撮ったMRIの画像を入れたCDをもらいました。それを持参して、セカンドオピニオン外来ではなく、別の病院の整形外科を初診で受診しました。MRIの画像を見たドクターは、「膝の骨が割れていますね。この状態から4カ月経っているので、さらに悪化している可能性があります。こちらでもMRIを撮ってみましょう」と言われて検査を受けました。画像を見たドクターは「ここまで悪化しているとは……」と思わず言葉をもらし、「しばらくリハビリと温存治療をしてみますが、状態によっては手術になるかもしれません」と言われました。その後、しばらく様子を見ていたのですが、やはり改善することはありませんでした。そのため、手術を受けることになり、来週入院の予定になっています。

 画像を見ただけですぐに骨が割れていると言われたので、最初の病院の読影ミスだと思い、先日病院と話し合いをしてきました。じつは、最初の病院には母親は内科にもかかっていて、その担当が院長なのです。そのような関係もあり、話し合いの場に事務の担当者と一緒に院長自らが出てきました。私(息子)が別の病院に移ってからわかったことを説明すると、院長は「全面的に当院の落ち度です。申し訳ありませんでした。これまでの治療費は全額お返ししますが、それ以外についてはこの場でお伝えしかねますので、しばらくお時間をください」と素直に謝罪してくれました。

 ところが、それから数日後、母親に直接電話があり、「改めてカルテを見直し、調べてみると、当院には何の問題もありませんでした。よって、治療費をお返しすることはできません」と一方的に言って電話が切れたというのです。そこで、再び私が病院に出向いて院長と整形外科の担当医と面談しました。私が「別のドクターが一目見ただけで骨が割れていると指摘したわけですから、MRIの画像の見落としであることは明らかではないですか」と指摘すると、整形外科医は終始下を向いたまま顔をあげようともしません。院長は「私は内科医なので、MRIのことはわかりません」と無責任に突っぱね、話し合いにもなりませんでした。こうなれば法的な手段に訴えるしかないと思っているのですが、その場合、どうすればいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス
 最初の病院の院長は一度非を認めて謝罪しておきながら、誰かに相談して「認めるべきではない」と言われて翻意されたのでしょうか。このように態度を二転三転させることは、患者側の不信感を煽ることになりがちです。この方も、最初に素直に認めて謝罪してもらった時点では、支払った医療費の返金だけで納得しようと思っていたのに、態度を翻されたことで「支払った医療費の返還だけでは納得できない気持ちになっている。今度受ける手術の費用はもちろん、母親が受けた苦痛に対する慰謝料も支払ってもらいたい」と態度を硬化させておられました。
 相談者には、法的解決としてどのような手段があるのかを伝え、弁護士のグループや弁護士会のなかの相談窓口などをお伝えしました。
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。

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