NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2016年4月号からの転載です)。

今年1月に76歳の叔父に初期の前立腺がんが見つかり、腹腔鏡による手術を受けました。私(48 歳・男性)は高校と大学のときに叔父の家に下宿して学校に通っていたので、叔父夫婦にはとてもお世話になりました。叔父夫婦には子どもがいなかったので、まるで自分の子どものようにかわいがってくれたのです。少しでも恩返しをしたいと思い、社会人になってからも時折叔父夫婦の家に遊びに行き、最近ではさまざまな相談にも乗るようになっていました。そのため、前立腺がんが見つかったときも、一番に私に連絡があり、手術前や手術後の説明も一緒に受けました。手術後は担当医から「前立腺がんは非常に初期だったので、手術ですべて取りきれました」と言われて、安心していました。
ところが、その後も定期的に外来受診をしていたらしいのですが、「PSA」という腫瘍マーカーの値がずっと高いままだと言うのです。そのため詳しい検査がおこなわれた結果、がんの取り残しがあると判明しました。担当医からは「肉眼的に見えないレベルのがんもあるので……。まだ年齢的に耐えうる体力がおありだと思いますので、開腹による再手術をしたほうがいいと考えています。骨への転移はありませんので、再手術をすれば確実に残っているがんは取りきれます」と説明がありました。
叔父は再手術という説明を聞いて、大きなショックを受けたようです。叔母も「大きな手術をするしかないんだろうか? 先生は年齢的に体力があると言うけれど、一緒に生活していれば、体力は確実に落ちてきていることを実感している。できればからだに負担が少ない手術のほうがいいと思う」と言います。私は少しでも叔父たちの力になりたいと思っているのですが、このような場合にセカンドオピニオンを受けるというのはどうなのでしょうか。
【関連連載】
◆COML患者塾
◆COML理事長山口育子の「医療問題なぜなにゼミナール」

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