日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > COML患者相談室  > 人工肛門のきちんとした説明がなく不信感
印刷

COML患者相談室

人工肛門のきちんとした説明がなく不信感

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2015年2月号からの転載です)。

 53歳の母は半年ほど前、大きな子宮筋腫が見つかり手術が必要と診断されました。術前の説明は私(娘)が一緒に受けたのですが、ドクターからは筋腫の場所や大きさ、切除する範囲などの説明に加え、起こりうるマイナス状況として「出血がひどいと輸血をするかもしれない」「癒着していれば腸を傷つける可能性がある」と聞かされました。母と私は説明に納得し、同意書にサインしました。

事前のきちんとした説明もなく、人工肛門をつけられてしまい…(©racorn-123RF )
事前のきちんとした説明もなく、人工肛門をつけられてしまい…(©racorn-123RF )

 手術では子宮と癒着していた片方の卵巣、卵管を切除したのですが、その際、大腸を傷つけてしまったらしいのです。それは可能性として理解していましたが、傷つけた大腸の位置の関係で人工肛門がつけられてしまったのです。

 人工肛門については事前の説明ではまったく触れられなかったので、母はとてもショックを受けた様子でした。少し落ち着いた段階で、母と私は主治医に時間を取ってもらい、「なぜ人工肛門になったのか、詳しい説明を受けたい」と申し出ました。しかし、「傷ついた大腸の位置の関係としか説明のしようがありません」と言うだけで、納得できる説明は得られないのです。

 また、婦人科病棟では人工肛門に詳しいナースがいなくて、母に適切なアドバイスをしてくれないのです。それに、ショックを受けている母に対する心のケアもなく、とてもよそよそしい対応で、母は「まるで私が悪いことをしたかのようで、逃げ出したくなる」と言っていました。何とか人工肛門の扱いに詳しいナースがいる外科病棟に途中で転棟させてもらったのですが、よそよそしい対応に変わりありませんでした。そのため、3カ月前に退院してからは、ストーマ(人工肛門や人工膀胱)外来がある別の病院に転院しました。

 退院後、2回病院に話し合いの場を設けてもらったのですが、「何について話し合うのですか?」「時間を設けても、これ以上お伝えすることはありません」と、退院、転院したら関係を終わらせようとしているように思えます。私は病院が何か隠している気がしてならないのですが、どうすれば真実を知ることができるのでしょうか。

COMLからのアドバイス

 もしかしたら、ほんとうに傷ついた大腸の位置の関係で、人工肛門にせざるを得なかったのかもしれません。しかし、相談者の話を聞いていると、しっかりと患者に向き合って誠実に説明しようという病院側の姿勢が感じられず、不信感が増してしまっているようでした。

 手術を担当したドクターの説明では納得できないとなると、第三者のドクターの意見を求めるしかありません。そのためにはカルテ開示や証拠保全という手段を使ってカルテや手術所見、CTやMRIなどの画像を入手し、弁護士を介する必要性が生じます。そのような方法や、必要となる経済的・時間的負担についてご説明しました。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
日経グッデイ初割春割キャンペーン2022

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 放置すると命を脅かす「高血圧」 140未満でも油断禁物

    収縮期血圧(上の血圧)が基準値の140より低くても130以上であれば「高値血圧」と言い、生活改善が望まれる。そこで本記事では、なぜ血圧を下げる必要があるのかや、手軽で効果的な「血圧リセット術」について紹介する。今年こそ、高血圧を改善しよう。

  • 健康長寿の生命線! 放置は禁物 「腎臓」の異常値

    生命維持に欠かせないさまざまな機能を担っている腎臓は、よほど悪くならない限り悲鳴を上げない「沈黙の臓器」でもある。本記事では、大切な腎機能が失われる前に、異常値にどう対処すればいいか、腎臓を守るためにはどのような生活習慣に気を付けていけばいいかについて解説する。

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設 日経Gooday初割キャンペーン2022

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.