私のところは1~5歳まで4人子どもがいて、妻は残り3人の世話で大変です。三男の治療については、夫婦ともに意見は一致しています。助かる可能性があるならまだしも、助からないとわかっているのに、なぜドクターの考えを押しつけられないといけないのでしょうか。ドクターはまだ若くて子どももいないので、親の大変さなんて理解できないのかもしれません。
最近の世相から、あまり積極的に治療をやめてほしいと言い続けたら、ネグレクト(育児放棄)と思われるのではないかと気になって、主張することも気を遣います。かなり精神的にも追いつめられているのですが、どうすればいいのでしょうか。
難しい問題ですが、「助かる見込みがない」と言われ、その状況を理解したうえで、冷静に治療をやめるという決断をすることも一つの選択肢だと思います。ただ、まずはもう一度、夫婦で治療をやめる意思表示をお互いが納得しているのか確認することが大事だと思います。一方の意見を強く反映させている結果になってはいけない問題だからです。
そのうえで、担当である若いドクターとのやりとりだけではなく、正式に病院と話し合う場を設けてもらってはどうかとアドバイスしました。病院では倫理委員会を設けて、このような倫理的問題が生じた場合に病院としての対応を話し合うところが増えています。その病院に倫理委員会が設置されているかどうかを確認し、そこで諮ってほしいと依頼することも一つの方法ではないかとお伝えしました。
【関連連載】
◆COML患者塾
◆COML理事長山口育子の「医療問題なぜなにゼミナール」