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COML患者相談室

差額ベッド料に納得いかない

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2015年1月号からの転載です)。

 68歳の父は自営業を営んでいたのですが、半年前に仕事場で倒れ、救急車で脳神経外科専門の病院に運ばれました。すぐに入院になり、脳梗塞と診断されました。しかし状態が落ち着いていたので、4人部屋で点滴による治療を受けていました。

 ところが入院して2週間後、突然、意識不明の状態になってしまったのです。ドクターからは「再び脳梗塞が起きて、今度は範囲も広く、意識に大きく影響を及ぼす場所」という説明があっただけで、それ以上詳しいことはわかりませんでした。急変した段階で人工呼吸器がつけられ、回復室という名前の病室に移動しました。看護師によると、「回復室はお部屋代はかかりません」とのことでした。その後、口から入れられていた人工呼吸器は、「長くなるから」と 気管切開して喉に装着されました。

納得できないまま、差額料金が発生する2人部屋に移された(©epstock-123RF)

 回復室に入って2カ月ほど経った頃、病院から電話があり、「意識不明の状態は変わりませんが、全身状態としては安定しています。回復室はより重症の患者さんのために空けたいので、2人部屋に移っていただきます」と言われました。電話ではいつ移動になるのかもわからなかったので、その日の夕方に病院に出向きました。

 すると、すでに父は2人部屋に移されていて、看護師に「今日から1日6,000円の差額ベッド料が発生しますから」と言われました。じつは、父は自営業がうまくいっていなくて、借金を抱えています。そのため、父が倒れてからは私が父の借金を肩代わりして支払っているのです。治療費も含めてかなり負担が大きいので、「月々 20万円近い 負担が増えるなんて、とてもお支払いできません。差額ベッド料の発生しない大部屋にしてください」と訴えました。しかし「大部屋はもう少し軽い状態の患者さんが入るので、お父さんは対象になりません」と 聞き入れてもらえませんでした。

 その後、何の説明もないままに、父の病室が別の部屋に変わっていました。そして、その月の請求書が届いたので見ると、請求総額は27万円を超えていて、これまでより4万円ほど高くなっていました。どういうことなのか尋ねたところ、1日7,500円の病室に入っていることがわかりました。

 これまでにも請求書が届くたびに差額ベッド料の同意書が同封されているのですが、私は納得がいかないので一度も提出していないし、差額ベッド料分は支払っていません。 回復室を出てから3カ月が経ち、病院から転院か退院をと促されました。いろいろと考えたのですが、転院すると費用が高くつくので、在宅介護をすることにし、3日後に退院の予定です。

 退院にあたっては、きっと差額ベッド料の支払いを請求されると思うのですが、支払うことに納得はいきません。どう対応すればいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス
 

 回復室での治療の必要はなくなったとはいえ、大部屋では対応できない病状だから2人部屋で入院継続ということならば、ある意味「治療上の必要」ではないかと思います。そのあたりが病院とのやりとりで明確になっていなかったので、確認する必要性を説明しました。

 さらに同意書は、あらかじめ同意した旨を意思表示するためのものなので、あとから提出を求めるというのは本来おかしいことだと思います。病室が変更になるなら、そのたびに提出を求める必要があります。そのような病院側の不備については、冷静に話し合いながら指摘してはどうかとお伝えしました。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。

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