日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > COML患者相談室  > リンパ浮腫をどうにかしたい
印刷

COML患者相談室

リンパ浮腫をどうにかしたい

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2015年1月号からの転載です)。

 72歳の妻は、8年前に乳がんが見つかり、手術を受けました。右の乳房に見つかったがんは3センチもあり、「がんの場所を考えると乳房温存手術は無理」と言われ、右乳房を全摘する手術になりました。そして、がんは右腋の下のリンパ節にも転移しているとわかったのでリンパ節の郭清(切除すること)も受けたのです。術前の説明では、がんの進行具合と切除の範囲については説明がありましたが、それによる後遺症については一切触れられませんでした。

 ところが術後、妻は右腕のひどいリンパ浮腫に悩まされ続けているのです。とくに利き手なので、できないことが増えて困っています。担当医に辛さを訴えても、「個人差はあるけれど、術後の後遺症だから仕方がない。辛いお気持ちはお察ししますが・・・」と共感はしてくれるものの、何の解決策も示してもらえませんでした。そのうち、その担当医は開業するために病院を辞め、別のドクターが担当になりました。

リンパ浮腫により、字を書くこともままならなくなった・・・(©julinzy-123RF)

 最近では、妻は右手で字を書くことも、お箸を持つこともできなくなっています。後任のドクターにそれらの症状を伝えても、共感すらなく、先日は「できないことを何とかしろと言われても困るんです」ととても冷たく言われたらしく、妻はとうとう「もう病院に行かない」と言い出しました。

 そこで、最初に診てもらっていたドクターが開業したクリニックに私が行って相談したところ、リンパマッサージをしている看護師外来のある病院を教えてくれました。すぐにその病院に問い合わせたところ、リンパマッサージの対象になるのは、その病院で手術を受けた患者だけなのだそうです。電話に出てくれた看護師はとても親切な人で「一度当院の乳腺外来を受診していただければ、対応できるようにしてみます。紹介状とこれまでのデータを持って受診してください」と言ってくれました。

 しかし妻は「あの先生が親切に紹介状を書いてくれるとは思えない。また何か言われて辛い想いをするのは嫌だし、言い出す勇気が出ない」と言います。後任のドクターになってから具体的な治療を受ける機会はなかったので、私は一度もお会いしたことがないのです。どうしたらいいのでしょうか。

COMLからのアドバイス

 一度嫌な思いをすると、再び何かを依頼するときの精神的ハードルは高くなりがちです。それだけに「勇気が出ない」という患者さんの気持ちは痛いほどわかります。

 でも、いまの状態を少しでも改善する可能性があるのなら、この段階で断念してしまうのはもったいないように思います。そこで、ご夫婦2人で病院を訪ね、患者さん本人が依頼する勇気が出なければ夫から紹介状や検査データをお願いしてみてはどうかとアドバイスしました。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。
日経グッデイ春割キャンペーン

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?

    “老けにくい”体にしたいというのは誰もが共通に思うこと。その老化の原因の1つとして最近注目されているのが「糖化」だ。この糖化、見た目の老化はもちろん、体内の血管や内臓、骨、関節などの機能低下にも密接に関わっているという。糖化リスクを遠ざけ、老化を遅らせるためには何を実践すればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、糖化の健康への影響から、その対策までを一挙に紹介しよう。

  • 歩くだけではダメ? 失敗しない運動習慣の作り方

    「ひと駅前で降りて歩く」「テレビを見ながら軽い筋トレをする」…これをもって「運動習慣がある」と思っている人は意外と多い。しかし、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは「強度の低い運動、筋肉がつかないような運動は、いくら続けても十分な成果が得られません」と断言する。では、健康診断で引っかかった数値を改善したり、カロリーを消費して減量したり、病気を予防するといった目的を達成するためには、どのような運動をすればいいのだろうか?

  • 認知症のリスクを下げる食事のポイントは?

    近年の研究から、認知症リスクは生活習慣によって大きく変わることが分かってきた。中でも重要なのが食生活だ。米国の最新食事法をきちんと実践した人は、認知症の発症リスクが最大53%低かったという驚きの結果も出ている。では、具体的にどのような食生活にすればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、最新研究に基づいた「認知症を遠ざける食事」のポイントを紹介しよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.