日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > COML患者相談室  > MRI検査を受けるなら転院!?
印刷

COML患者相談室

MRI検査を受けるなら転院!?

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)では、1990年に活動を開始して以来、医療に関する電話相談を実施しています。これまで、5万件を超える相談に対応してきました。この連載では、プライバシーに配慮した上でCOMLの会報誌に掲載された相談内容と、COMLからのアドバイスをご紹介します(本記事はCOML会報誌2014年11月号からの転載です)。

 89歳の祖父は、これまでに軽い脳梗塞を3回起こし、年齢とともに自分でできることが減って、両親が自宅で介護していました。しかし、両親も60歳代半ばになり、体力が落ちてきたのか、2人とも腰を悪くして介護ができない状態になってしまいました。そこで、できるだけ長く受け入れてくれる療養型病院を探し、3カ月前に入院したのです。

 最近になって、祖父がいままで以上に動けなくなったので、再び脳梗塞を起こしたのではないかと心配になり、ドクターに検査をお願いしました。その病院にはMRIがないので、CT検査になったのですが、「新たに生じたと思われる脳梗塞はありません」と診断されたのです。私は以前、脳梗塞の診断はCTよりMRIのほうが正確と聞いたことがあったので、「MRI 検査のできる病院で検査を受けて診断してもらい、何もなければこちらに戻ってきたいのですが」とドクターにお願いしました。

CT検査で異常は見つからなかったが…(©Ferenczi Gyorgy-123RF)
CT検査で異常は見つからなかったが…(©Ferenczi Gyorgy-123RF)

 すると「ご家族の要望があれば転院していただくことは可能です。ただ、当院では脳梗塞ではないと判断したので治療をするつもりはありません。その方針に従わずに別の病院でMRI 検査を受けるのなら、当院に戻ってきてもらうわけにはいきません」と言われてしまったのです。

 私が「入院するときに理事長とお話ししましたが、理事長は『当院でできない検査や治療が必要になれば、いったん転院していただくこともありますが、当院での入院の継続を希望されるならいくらでも戻ってきていただけます』とおっしゃっていました」と主張したら、「それはこちらから別の病院での検査・治療が必要と判断した場合です。転院問題については、地域医療連携室の職員と相談してください」と言って、話し合いが打ち切られてしまいました。

 その後、病室にいた私のもとに地域医療連携室の人がやってきて、いきなり「理事長が言ったことは間違いです。別の病院でMRI検査を受けるなら、いったん退院して転院してもらうことになりますし、その後戻ってきてもらうことは不可能ですから」と木で鼻をくくったように言うのです。まったく相談の余地もない対応に、納得がいかないのですが。

COMLからのアドバイス

 病院側としてはCT検査で異常なしと判断したのに、家族が他院でのMRI検査を求めたことに気分を害したのかもしれません。しかし、だからと言って「それなら戻ってくるのを受け入れない」ことだけを前面に出して主張したのでは、対立構造に陥るだけです。MRI検査をしなくても脳梗塞が起きていないと判断した根拠、理由をまずはわかりやすく説明することが先決ではないでしょうか。

 また、家族の側も自らの希望がかなえられて当然と要求するのではなく、MRI 検査の必要性について相談する姿勢で臨むことが大切です。お互いの丁寧なコミュニケーションが求められると思います。

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者が自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指して1990年に設立。患者と医療者が対立するのではなく、“協働”する医療の実現を目的としている。患者の悩みに対する電話相談、各種セミナー・講座などに積極的に取り組んでいる。

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

  • 怖い緑内障 忍び寄る失明を回避するには

    緑内障は放っておくと失明を招く怖い病気だが、病気が進んでも中心部の視力は保たれるため、自分ではなかなか気づきにくい。本記事では、緑内障による失明を回避するために知っておきたい期症状の特徴や、早期発見のために必要な検査、最新治療などについてコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.