1日1箱のタバコより格安! AGAを元から抑える方法
“薄毛ホルモン”に変える元を薬で抑える
伊藤和弘=フリーランスライター
「ハゲの原因」を元から抑える
最も確実な治療法は「薬」だ。
たとえば薬局で売られている外用薬のリアップ(ミノキシジル)は、毛乳頭内のIGF-1(インスリン様成長因子-1のこと。DNAに働きかけ細胞分裂を促進し、細胞の特性を高めるように働く)を増やし、毛母細胞の分裂をうながす。育毛作用はしっかり確認されているが、「効果はフィナステリドがいちばん」と佐藤院長は言う。
フィナステリドは5αリダクターゼの働きを抑えることで、テストステロンが恐怖のDHTに変わることを防ぐ。つまり、「髪が抜ける原因」を取り除くわけで、メカニズムから見ても育毛作用は大きく期待できる。
フィナステリドが配合された薬の商品名はプロペシアという。「AGAの内服薬」として有名だ。東京メモリアルクリニック・平山で、3177人のAGA患者にプロペシア(1日1mgのフィナステリド配合)を服用してもらったところ、なんと87.1%もの人が改善したと報告されている(グラフ参照。J Dermatol;39,27-32,2012)。
プロペシアは処方箋が必要で、一般には皮膚科で処方してもらえる。保険は適用されないため自費診療になるが、1カ月(1日1錠)の費用は8000~9000円程度。1日1箱タバコを吸うよりも安くすむ計算になる。
ところで先生、プロペシアといえば「副作用でEDになる人も多い」というウワサもありますが?
「理論的にはあり得ない。フィナステリドをのむと、血中のテストステロン濃度はむしろ上がるという報告もある(J Am Acad Dermatol.1999 Oct;41(4):550-4)。実際にEDになる人も数%いるが、暗示の影響が大きいのではないだろうか」(佐藤院長)
ちなみに佐藤院長自身も、かれこれ7年以上プロペシアをのみ続けているという。薄くなりかけていた髪はたちまち元気を取り戻し、56歳の現在もご覧の通りだ。
(イラスト:うぬまいちろう)
東京メモリアルクリニック・平山院長

