大革命か!? EDを治療するマシン「ED1000」の効果は?
薬が効かなかった人にも朗報! 衝撃波で血管新生を促す
伊藤和弘=フリーランスライター
治療費は、某クリニックでは約40万円
EDはさまざまな原因で起こる。甘酸っぱいチェリーボーイにありがちなのは「緊張して立たない」という心因性のもの。それに対し、年を取ると機能的な原因で立たないことが増えていく。そんな悲しいお父さんたちにこそ、ED1000は威力を発揮する。
ペニスの動脈は細いので、動脈硬化の影響が真っ先に表れる。前回も紹介した日本性科学情報センターで行われた調査によると、日本人男性では40代の20%、50代の40%、60代の60%がEDと推測される(日本臨床60,200-202,2002)。年齢が上がるほど増えていくのは、血管の機能が衰えていくことが大きいのだろう。ペニス(海綿体)の血管からNO(一酸化窒素)が出ることで血管が拡張するが、動脈硬化によって血管が衰えると充分なNOが出せず、若き日のような「ピンピン」は難しくなってしまう。
バイアグラなどPDE5阻害剤は、あくまで「勃起の邪魔をするPDE5を抑える」ものなので、血管からNOが出なければ効果はない。ところが、ED1000は新しい血管を作ることで血管機能を回復させるため、そういう人にこそ効く。また、セックスのたびにのまなければいけないPDE5阻害剤と違って、「EDを根本的に治す」ことも期待できるのだ!
日本でED1000の輸入代行を行っているメディテックファーイーストによると、ED1000による治療を受けられるクリニックは東京、名古屋、大阪、広島の4都市でわずか6施設しかない(2013年6月時点)。健康保険は利かないので自費診療。ちなみに名古屋市の某クリニックでは、約40万円で9週間12回の治療を受け付けている。
一方、大学病院の臨床試験なら無料だ。堀江教授の順天堂大学でも近い将来、臨床試験を予定しているという。気になる人は要チェックですよ!
ED1000も万能ではなく、帝京大学の臨床試験を見ても効果がなかった人も意外といる。しかし中高年のED、とりわけ「血管の衰えによるED」に効果が期待できるのは間違いない。何年かしたら、「ED治療にはED1000」が当たり前になるのかもしれないなぁ。
(イラスト:うぬまいちろう)
順天堂大学医学部泌尿器科学講座 教授