「脂肪肝ドック」を体験! まるでSF映画の宇宙船?
寝てるだけ、痛みもなかった
伊藤和弘=フリーランスライター
脇腹を軽くノックされているような感覚

ヘッドフォンを通して、いろいろな音が聞こえてくる。電子音というのだろうか。往年のSF映画に出てくる宇宙船の中で鳴っていたような音だ。高さが違う何種類かのブザー音。断続的なドリルのような音。隣室の人が壁に釘を打っているような音。階下の人が柱をたたくような音――。本当にそんな音がするのだ。
時間がたつと、それらの電子的な雑音にも慣れて落ち着いてくる。すると眠くもなってくるが、鳴り続ける雑音のせいで眠りには落ちない。黙って寝ていると、前衛的な現代音楽を聴いているような気分にもなってくる。
やがて、ヘッドフォンから「息を吸ってください」という声が聞こえた。その後、「吐いてください」「止めてください」「ラクにしてください」という指示が出る。
息を止めているときが重要で、このとき右の脇腹に当てた円盤状の板から衝撃が来るのだ。衝撃なんていうと大げさだが、脇腹を軽くノックされているような感覚。痛くはないが、止めている息が漏れそうになる。
そんなことが何回か繰り返されて検査は終わった。
筆者の場合、脇腹の板の接触が悪かったらしく、何度かやり直したため1時間近くかかったが、普通は30分程度で終わるらしい。「あんまり遅いから、何か見つかったのかと思いましたよ」と担当編集者。こ、怖いこと言うな!
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