85歳で現役バリバリ! 日本男性医学の父に聞く“かっこいい長生きの秘訣”
食事は毎日肉を欠かさない! 週1回は加圧トレーニングも実践
伊藤和弘=フリーランスライター
朝食は肉と卵を食べる! 加圧トレーニングも

80代になっても先生くらい元気だったら素晴らしいと思います。ぜひ、ご自身の健康法や生活習慣を教えてください。
熊本氏:週1回、加圧トレーニングをやっています。食事は毎日肉を欠かさない。朝からハンバーグと玉子焼きです。M・E・Cって知ってる? ミート、エッグ、チーズ。たんぱく質中心の「断糖食」です。ご飯は主食じゃなくて、おかずの感覚。西洋料理のパンのように、ときどき口に運ぶ。1日3食で茶碗1杯くらいかな。
睡眠は6時間くらい。普段は1時頃に寝て、7時から8時くらいに起きる。男性ホルモンが減ると、レム睡眠が乱れて3時間くらいで目が覚めてしまうようになる。レム睡眠のときは勃起しているので、朝立ちはしっかりレム睡眠が取れているサイン。朝の勃起が回復すると、「夜中に目が覚めなくなりました」と言う人が多いんです。
もともと男性ホルモンは高い方だったけど、80歳頃から自分でも補充するようになった。テストステロン製剤250mgを体調に合わせて月に1~2回注射します。
男性ホルモン補充療法は「危険がある」という報告もありますが(男性ホルモンが増えれば、メタボを予防できる!?)……。
熊本氏:確かに、「絶対に危険がない」とは言えない。でも、例えば交通事故は毎日起きている。みんな、ある程度の危険があるのは分かった上で、事故を起こさないように注意して車を運転してるわけです。危険があるかもしれないから、とせっかく進んだ医学を利用しないのは「車は危ないから歩きなさい」と言っているようなものだと思う。
昔は男も女も50歳くらいが平均寿命で、それ以上は余生だったわけです。だけど今は80歳まで生きるようになった。いくら寿命が延びても、ただ長生きすればいいってもんじゃないでしょう。大事なのは「ヘルシー・アクティブ・ロングライフ」だよね。元気で長生きしようと思ったら、男も女も男性ホルモンですよ!
(イラスト/うぬまいちろう)
札幌医科大学 名誉教授