「アンチエイジングドック」ってなんだ? 人間ドックとどう違うの?
筋肉、血管、神経、ホルモン、骨の5つを調べ、自分の“かくれ老化”を知る
伊藤和弘=フリーランスライター
年を取ると「男らしさ」は失われていく。残念なことだが、いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? この連載では第一線で活躍する専門家たちに、「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回のテーマは自分の老化度を検査することができる「アンチエイジングドック」について。病的な老化の早期発見、予防にもつながるアンチエイジングドックとはどういうことを調べるのかを同志社大学大学院生命医科学研究科、アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授に解説してもらう。

日本鋼管病院(神奈川県川崎市)の消化器内科医だった米井教授が日本初の「アンチエイジングドック」を開設したのは20世紀の終わり、2000年12月のことだった。
まだ日本でほとんど知られていなかった「アンチエイジング医学」に興味を持った米井教授は、1999年に渡米し、専門病院や学会で多くの講習を受けた。アンチエイジングは「抗老化」と訳されるが、実際は「老化にあらがう」不自然なものではなく、「病的な老化を防ぐ」予防医学だと知る。
人間は本来、120歳まで生きられるポテンシャルを持っているという。しかし、実際は多くの人が70歳や80歳で他界してしまう。それは病的な老化によって、がんや心臓病などの病気を引き起こし、寿命をまっとうできなくなるためだ。
「その頃、ちょうど人間ドックの担当になった。がんや生活習慣病などを早期発見するのが人間ドックの目的。同じように“病的な老化”を早期発見、早期治療するドックは有意義ではないかと考えた」と米井教授は振り返る。
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