「下半身」だけじゃない!“夢と冒険のホルモン”テストステロンのパワーの秘密
手の指の長さで強弱を判定する方法も
伊藤和弘=フリーランスライター
男を“ヒーロー”にするホルモンとは?
第1回目のテーマは、男らしさと切っても切れない男性ホルモンの知られざるパワーについて。
男性ホルモンといえば、もっぱら“下半身”にかかわるイメージが強い。しかし、それだけではない。気力や性格、社会性にまで影響し、女性にとっても重要なホルモンであることがわかってきた。
主要な男性ホルモンにテストステロンがある。男性の場合、約95%は精巣(睾丸)で作られるが、男女ともに副腎でも作られている。順天堂大学医学部泌尿器科学講座の堀江重郎教授は、「テストステロンは社会の中で自分をアピールし、未知の世界に旅立たせる“夢と冒険のホルモン”」と説明する。
「芸能人や政治家にはテストステロン値が高い人が多い。逆にクリエイティビティ(創造性)が求められない職業や、他人と接触しない職業の人は低い傾向がある。女性も男性の3分の1くらい分泌しており、中には男性の平均値を上回る人もいる」(堀江教授)
米国で行われた研究によると、社会の第一線で働いている女性はおおむねテストステロンの値が高かった。さらに、高い人は元気で長生きする傾向もあるという。
「かつて“犯罪者はテストステロン値が高い”と言われたのは根拠の薄い俗説。高い人は確かに積極的で元気がいいが、決して反社会的ではない。どちらかといえば、テストステロン値が低い男性の方がケンカっ早い」と堀江教授は言う。
テストステロン値が高い人はむしろ公平さや公正さを求める正義感が強く、社会に貢献しようという意欲が高くなる。つまり、テストステロンは男を“ヒーロー”にするホルモンとも呼べるわけだ。
さらに、テストステロンの影響は意外なところにも表れる。巨乳好きや脚フェチなど、「パーツにこだわる男性はテストステロン値が低い」と堀江教授。
「一方、毎日コツコツと日記を書くような人は女性的に思えるかもしれないが、逆にテストステロンが高い。目標を達成する意志が強いことの表れだから」(堀江教授)

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