前立腺がんを医療ロボットで手術すれば男らしさもUPする!?
50歳を過ぎたら一度はPSA検査を受けてみよう
伊藤和弘=フリーランスライター
ロボット手術の登場で起きた革命とは?
患者を手術するのはダ・ヴィンチというロボット。医師は手術台から離れたコンソールに座り、モニターを見ながら両手両足を使ってダ・ヴィンチを遠隔操作して手術を行う。たとえるなら、人間が動かす「ガンダム」のようなものだ。
モニターの映像を拡大することによって、従来では考えられないような細かい作業が可能になった。その結果、尿道や勃起神経を傷つけずに、前立腺だけをきれいに切り取ることができるようになったのだ。
しかもメスを使う開腹手術ではなく、腹腔鏡で行うため患者の肉体的負担も少なく、手術の翌日には歩けるようになり、1週間程度で退院できるという。
「ダ・ヴィンチを使えば、約50%の人は術後もセックスが可能。40代や50代といった若い年代であれば、さらに確率は高くなる」と堀江教授は太鼓判を押す。
ダ・ヴィンチの登場で男らしさは保てる!
ダ・ヴィンチが登場したのは2000年のこと。前立腺がんの手術から始まり、今では胃、腸、腎臓、子宮など、さまざまな臓器の手術に使われるようになっている。
堀江教授は2011年12月からダ・ヴィンチを使い始めた。(順天堂大学医学部附属順天堂医院でのロボット支援手術の実績)現在、日本には約150台あり、順天堂医院の他、国立がんセンター、聖路加国際病院、東京大学、東京医科大学、帝京大学、杏林大学の各附属病院などで使われているという。ちなみに保険も適用されるので、費用の心配もいらない。
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