前立腺がんを医療ロボットで手術すれば男らしさもUPする!?
50歳を過ぎたら一度はPSA検査を受けてみよう
伊藤和弘=フリーランスライター
年を取ると「男らしさ」は失われていく。残念なことだが、いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? この連載では第一線で活躍する専門家たちに、「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回は前回に引き続き「前立腺がん」を解説する。医療ロボットによる手術で、前立腺がんの治療は画期的に進歩したという。
40代や50代にも急増している前立腺がん。いざ、なってしまったらどうするか? 抗がん剤や放射線による治療も行われているが、現在最も確実な治療法は、がんができた前立腺を手術で摘出してしまうことといわれている。
ただし前立腺の摘出手術には、男性にとって無視できない“副作用”がある。
「問題は前立腺が尿道を取り囲んでいる上、周りにタケノコの皮のように勃起神経があること」と、順天堂大学医学部泌尿器科学講座の堀江重郎教授は指摘する。
そのため、前立腺がんの手術をすると尿道や勃起神経が傷つき、尿が漏れたり、勃起しなくなったりすることが多かった。米国の統計によると、手術から半年後、尿漏れを起こさない人は38%、セックスができる人はわずか8%だったという。ということは、9割はセックスができなくなるわけだ!
大切な命には代えられないとはいえ、これまた大切な「ムスコの命」を犠牲にするのは、つらい。
そんな悩ましい前立腺がんの手術に革命が起きた。ロボット手術「ダ・ヴィンチ」の登場だ。
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- ロボット手術の登場で起きた革命とは?
