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男こそアンチエイジング!

夏のUVBは冬の5倍! 男だって紫外線対策は重要

日傘だけに頼らず、日焼け止め活用や抗酸化物質の摂取も

 伊藤和弘=フリーランスライター

 年を取ると「男らしさ」は失われていく。残念なことだが、いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? この連載では第一線で活躍する専門家たちに、「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回のテーマは「紫外線」について。見た目の若々しさのためだけではなく、紫外線対策は健康に暮らすためにも必須。男のための正しい紫外線対策について、再生未来クリニック神戸(神戸市中央区)の市橋正光院長に解説してもらう。

 「子どもでも植木の苗でも、これから大きくなろうとするものには日光が必要であるかも知れないが、もう育ちきったものは日光なんかどうでもいいのです。却(かえ)って日陰においた方が長もちがするのではないかと私は思う」(内田百間(間は、正しくは門構えに月です)「七体百鬼園」より)

 明治生まれの作家、内田百間はギャグとして書いたはずだ。しかし現代の医学から見れば、この言葉は決して間違っていない。それどころか子どもにも過剰な日光は害になるとして、1998年以降は母子健康手帳から「日光浴」という言葉が削除されている※。

 日光に含まれる紫外線は、シミやシワを作り、肌の老化の大きな原因となる――。これは今や常識と言ってもいいだろう。屋外でむやみに肌を焼くよりも、人間もタンスのように「日陰においた方が長もち」するのだ。

 最近は男性もシミやシワを気にする時代になってきた。

 2014年に小林製薬が30~50代の男性309人に行った「肌の悩み」についてのアンケートによると、1位が乾燥(34.6%)、2位シミ(33.0%)、3位シワ(25.6%)という結果に(下グラフ)。シミに悩む男性102人のうち、実に89.2%が「消したい」、95.1%が「これ以上増やしたくない」と思っていることも確認された。

あなたが現在、気になる肌の悩みは何ですか?(N=309/MA)
小林製薬 2014年“男のシミ”実態調査より
[画像のクリックで拡大表示]

 特に夏はシミができやすい。紫外線には波長の長いUVA(A波紫外線)と波長の短いUVB(B波紫外線)があり、シミや日焼けの原因になるのはUVBのほう。「UVAは夏になっても冬の2倍くらいなのに対し、UVBは5倍に増える。遺伝子に傷をつけ、変異を起こさせる力はUVAの約1000倍も強い」と、光老化に詳しい市橋院長は指摘する。

 皮膚にUVBが当たると活性酸素が発生する。すると表皮の角化細胞は色素細胞に「メラニンを作れ」と命令を出し、チロシンというアミノ酸を黒いメラニンに変える。これが日焼けのメカニズム。皮膚としてはメラニンという盾を並べて降り注ぐUVBをブロックし、必死に大事な遺伝子を守ろうとしているわけだ。メラニンを作る力が低い白人はUVBによるダメージが大きく、そのため有色人種よりも皮膚がんになりやすい。

 通常、表皮の新陳代謝でメラニンははがれ落ちる。しかし、加齢、不規則な生活、ストレスなどで代謝のサイクルが乱れたり、紫外線の浴び過ぎで大量のメラニンが作られたりすると、メラニンが排出されずに表皮の中に残ってしまう。それがシミだ。

 一方、UVAは破壊力が弱い代わり、表皮の下の真皮まで届く。そこで活性酸素を発生させ、「コラーゲンやエラスティックファイバー(弾性繊維)を破壊。さらに繊維芽細胞に働いてコラーゲンの生成を抑えることでシワができる」と市橋院長は説明する。

※1998年以降の母子健康手帳には日光浴を勧める記述がなくなり、外の空気に触れる「外気浴」という表示のみになった

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