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男こそアンチエイジング!

カラオケは「口の中」から若返れる?

歌で唾液の量が増える! ストレス解消にも効果あり

 伊藤和弘=フリーランスライター

歌で唾液の量が増え、ストレスが解消される

 唾液腺は筋肉に裏打ちされているため、口の周りの筋肉を鍛えると唾液の分泌も増える。ガムを愛用するのもいいが、斎藤教授のイチオシは「カラオケ」だ

 「古来、人間は歌で喜怒哀楽を表現し、歌でつらい作業を耐え忍んできた。歌うことは健康にいいと言われるが、実際にどんな効果があるのか、第一興商と共同で調べた」(斎藤教授)

 実験に参加したのは60歳以上の高齢者44人。好きな曲を3曲歌ってもらい、その前後で唾液の量、唾液に含まれるコルチゾール(ストレスホルモン)の量、気分の変化を調べた。その結果、歌った後は唾液の量は増え、コルチゾールは減った(グラフ参照)。気分が明るくなり、「緊張」や「抑うつ」といったネガティブな感情も改善した。

■唾液量
[画像のクリックで拡大表示]
■コルチゾール
平均年齢64歳の男女44名(男性:10名、女性:34名)で実施。44名中、「歌が好き」32名、「歌が嫌い、うまく歌えなかった」12名で構成(出典:Biopsychosoc Med. 2014 May 21;8:11)
[画像のクリックで拡大表示]

 なぜ唾液が増えたのかというと、「口の周りの筋肉を使ったというフィジカル面と、歌うことで副交感神経が優位になったというメンタル面、ふたつの理由が考えられる」と斎藤教授は説明する。

 コルチゾールが減ったのも、リラックスして副交感神経が優位になったため。まさしく「歌でストレス解消」が実証されたわけだ。コルチゾールの量が多く、交感神経が優位になっているときは、免疫力が下がっていて病気になりやすいという。

 興味深いのは、「歌が好き」な人はもちろん、「歌が嫌い」「うまく歌えなかった」という人でも、効果が変わらなかったことだ。

 この現象を斎藤教授は「笑う門には福来る」という言葉を出して説明する。

「楽しくないときも、笑顔を作ることで楽しい気分になる。それは笑って楽しかったときの記憶がよみがえるため。歌っているときも表情筋が動くことで、幸せだった記憶、楽しかった記憶がよみがえり、コルチゾールが下がるのだろう」(斎藤教授)

 歌はストレスを解消し、唾液を増やして「口の中」から若返らせてくれるというわけ。口臭予防やアンチエイジングのため、がんがん歌いまくってほしい。ベテランのミュージシャンが若く見えるのも、ファッションや気持ちのせいだけではないのかもしれない。

 さて、医学的なお墨付きもいただいたことだし、今夜もカラオケに繰り出しますか!

(イラスト/うぬまいちろう)

斎藤一郎さん
鶴見大学歯学部病理学講座 教授
1979年、松本歯科大学卒業。米スクリプス研究所研究員、東京医科歯科大学難治疾患研究所助教授、徳島大学歯学部助教授を経て、2002年から現職。ドライマウス研究会代表。日本抗加齢医学会副理事長。著書に『「現代病」ドライマウスを治す』(講談社+α新書)など。2015年9月、共著書『健康に長生きしたければ1日1曲歌いなさい』(アスコム)を刊行した。
日経トレンディネット2015年11月4日付け記事からの転載です。

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