喫煙者は人一倍健康に気を遣う? 喫煙者のアンチエイジング法とは
食事改善に加え、ED薬の服用という“裏技”も
伊藤和弘=フリーランスライター
活性酸素を消す裏技がある!

タバコの害を抑える最大のポイントは、大量に発生する活性酸素を消すことだ。
基本は食事。摂取カロリーと活性酸素の発生量は比例するので、食べすぎはいけない。血糖値を急に上げないように、最初に食物繊維の多い野菜から食べ、ご飯など炭水化物は後から食べるようにする。
活性酸素を消してくれる抗酸化作用の強い果物や野菜をたくさん取ることも大切だ。「特定の食材に頼るのではなく、いろいろな種類を取るべき。季節に合った旬の野菜や果物がいい」と堀江教授。女子の間ではやっている「スムージー」(凍らせた野菜や果物をミキサーにかけたシャーベット状のジュース)を毎朝飲むのもいいだろう。
堀江教授は、漢方薬の「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)や、バイアグラ、シアリスといったED薬(PDE5阻害薬)も薦める。あまり知られていないが、これらは極めて強い抗酸化作用を持っているという。「裏技ですよ」と堀江教授。
「ヘビースモーカーは血管や精巣がダメージを受けるため、40代になると勃起力が落ちてくる。まだ問題がない人も、早めに飲んでおいたほうがいい。ED薬は泌尿器科へ行って、最近勃起しにくいので、と伝えれば処方してもらえるはず」(堀江教授)
もちろん、健康診断はまめに受けること。喫煙者がなりやすい膀胱がんは、他のがん以上に早期発見が大切になる。特に注意すべきは“血尿”だ。「喫煙者で尿に血が混じっていた場合、2割は膀胱がんと言われる」と堀江教授。すぐに病院(泌尿器科)へ行こう。
なお、受動喫煙(自分は吸わなくても親しい家族が吸う)でもがんのリスクが高まる。タバコを吸わない人に副流煙を吸わせないように、くれぐれも注意してほしい。
2. 旬の野菜や果物を毎日、できれば多種類取る。
3. 健康診断はまめに受けるようにする。
4. 尿に血が混じっていたら、ただちに泌尿器科へ行く。
5. 禁煙する時は少しずつ本数を減らし、運動も合わせて行っていく。
(イラスト/うぬまいちろう)
順天堂大学医学部附属・順天堂医院泌尿器外科 教授