辛いカレーで憂うつな春を乗り切る! クルクミンはアンチエイジングの救世主!?
ウコンに含まれるクルクミンの嬉しい効果とは
伊藤和弘=フリーランスライター
年を取ると「男らしさ」は失われていく。残念なことだが、いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? この連載では第一線で活躍する専門家たちに、「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回のテーマは「クルクミン」。ウコンに含まれる成分のひとつクルクミンは、アンチエイジングにとって嬉しい効果をもたらす成分だということが分かってきた。異動や歓送迎会など普段とは違うことが続く春にはクルクミンが手助けとなりそうだ。順天堂大学医学部泌尿器科学講座の堀江重郎教授に解説してもらう。

「最近、アンチエイジングの世界で注目されているのがクルクミン」と、本連載の第1回からお世話になっている堀江教授は話し始めた。
クルクミンとはウコン(ターメリック)に含まれている黄色の色素成分。ウコンが黄色いのはこのためで、カレーが黄色いのもウコンが入っているからだ。

ちなみにウコンはインド原産のショウガ科の植物。熱帯から亜熱帯に分布していて、根茎を乾燥させて粉末にしたものがターメリックというスパイスになる。日本では沖縄の特産品だが、中国を通じて早くも平安時代には輸入されていたという。食品ではカレーの他、たくあんの着色などにも使われる。
クルクミンの効能としてよく知られているのは肝臓に対する効果だろう。
クルクミンの肝機能改善効果はすでに実証ずみ。飲み会のたびに、ウコンやクルクミンのサプリメントを愛用している人も少なくないはずだ。
体内に入ったアルコールはまずアセトアルデヒドに分解され、これが二日酔いや悪酔いの原因になる。日本人など黄色人種にはアセトアルデヒドをまったく分解できない体質の人もいて、このタイプは完全な下戸。アセトアルデヒドには血管を拡張させる働きがあり、「飲むと赤くなる人」はアセトアルデヒドを分解する力が弱いのだ。
クルクミンは肝臓で作られる胆汁の分泌を増やし、このアセトアルデヒドの分解を速めるという。つまり、少し飲み過ぎても気持ち悪くなりにくく、二日酔いにもなりにくいというわけ。実際、お酒を飲む30分前に30mgのクルクミンをのむと、アセトアルデヒドの血中濃度の上昇が抑えられた(グラフ1)。
