40代は要注意! 加齢臭=老化現象。ニオイを抑えれば若返る!?
体の抗酸化力を高めるサプリや食事も「ノネナール」を防ぐ
伊藤和弘=フリーランスライター
年を重ねるごとに失われていく「男らしさ」。いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? 第一線で活躍する専門家たちに「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回は、これから温かくなる季節に向け、気になる「加齢臭」について。四谷三丁目皮膚科の山田美奈院長に解説してもらう。
オヤジはクサい――。
それは決して気のせいではないことが医学的にも明らかになっている。年を取ると男性は、古くなった油のような独特の体臭が出やすい。すなわち、“加齢臭”だ。
「加齢臭の原因はノネナールという成分。これは表皮の皮脂に含まれるパルミトオレイン酸が酸化されてできるもので、若い人にはほとんどできない」と、四谷三丁目皮膚科(東京都新宿区)の山田美奈院長は説明する。
加齢臭を発する部位は胸、背中、頭、ワキの下
このノネナールは40歳を過ぎると急増する(J Invest Dermatol. 116(4);520-4,2001) 。年を取ると抗酸化力が落ちるため、パルミトオレイン酸が酸化されやすくなる。また、パルミトオレイン酸自体も年を取ると増えてくるらしい。特に、胸、背中、頭、ワキの下など皮脂腺の多い部分でノネナールができやすい。
世の中にはワキガをセクシーと感じる人もいるように、「加齢臭が好き」という女性だっていないことはない。とはいえ、それはあくまで少数派のようだ。
2011年に資生堂アメニティグッズ株式会社が30~70代の男女140人に調査したところ、「他人の体臭で気になるもの」で加齢臭は口臭に次いで堂々第2位にランクイン! あのワキガよりも上位に入っており、60%以上の人が「気になる」と答えている(グラフ参照)。
実は加齢臭は男性だけのものではない。女性も年を取れば同じようにノネナールを作るようになるが、「一般的に女性のほうが清潔に気をつけているので目立たないのではないか」と山田院長。つまり、「オヤジのニオイ」というよりは「年を取った人のニオイ」であり、まさしく加齢臭というネーミングはピッタリということになる。
一説によると、最近は生活習慣の乱れから、20代や30代で早くも加齢臭を出す若者もいるらしい。反対に「40歳を過ぎても、体の抗酸化力が強ければ加齢臭は抑えられるはず」と山田院長。老化現象のひとつである加齢臭を抑えることは、そのままアンチエイジングにつながる。
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