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男こそアンチエイジング!

カロリーも油も気にしない!? メタボ予防食「ロカボ」は画期的な食事法か?

ご飯やパンを半分から3分の1に減らすのが基本

 伊藤和弘=フリーランスライター

年を取ると「男らしさ」は失われていく。残念なことだが、いつまでも若い頃の外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? この連載では第一線で活躍する専門家たちに、「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう。今回のテーマは、昨年からブームになっている「ロカボ」。メタボリックシンドローム予防食事法のひとつとして話題になっている糖質を制限するもの。「カロリーも油も気にする必要はない」と提案する北里大学北里研究所病院糖尿病センターの山田悟センター長にその理由を解説してもらう。

 新年や年度初めは、新しいことを始める好機。ダイエットに挑戦しようと決意している人も多いだろう。

 メタボリックシンドロームは決して侮れない。肥満、高血糖、高血圧、脂質異常の4因子のうち、1つ持っているだけでも心疾患の発症リスクは5.1倍に、3つ持っていれば実に35.8倍も高くなる。身体の老化も進み、糖尿病になると寿命が10歳以上も縮むという。

 メタボや肥満を防ぐには食事と運動だ。カロリーや栄養バランスに注意し、食べすぎないように気をつけるのは現代人の常識といえる。

 そんな中、「カロリーも油も気にする必要はない。肉や揚げ物をお腹いっぱい食べてもいいのだ!」と公言する糖尿病専門医が現れた。常識をくつがえす食事法「ロカボ」について書かれた『糖質制限の真実』(幻冬舎新書)は、2015年11月の発売から2カ月で10万部を突破するベストセラーになっている。

 いったい、ロカボとは何なのか? いくら食べてもいいってマジで? 早速、著者を訪ねてみよう。

 「自由主義社会において、人の行動に制約をかけるのは基本的に良くない。はっきりとメリットが得られるかどうかわからないときの制限は“悪”だと思う」。著者である北里大学北里研究所病院(東京都港区)糖尿病センターの山田悟センター長は、社会変革を志す革命家のように話し始めた。

制限しなくてもカロリーは自然に抑えられる?

 ロカボとは従来の「ローカーボ」(糖質制限)から派生した造語で、「ゆるやかな糖質制限」という意味だ。ご飯やパンを一切口にしない極端な「糖質抜き」ではなく、糖質の摂取量を減らす。その定義は「1食の糖質を20~40g、間食も入れて1日70~130gに抑える」だけ。たんぱく質や脂質はいくらとってもいいし、カロリーを気にせずお腹いっぱい食べても構わないというのだ。

 「意識しなくても満腹中枢による制限は絶対にかかる」と山田センター長は説明する。確かに、いくらカロリー無制限といっても、ご飯を食べずに、肉や魚を延々と食べ続けるのは、一般的な日本人には難しいかもしれない。

 実際、山田センター長らが行った実験によると、従来のカロリー制限食が1日1600kcalなのに対し、カロリー無制限のロカボを実践した人たちの平均摂取カロリーは1700kcal程度。日本人の平均摂取量とされる2000kcalに届かなかった。自然とカロリーも抑えられるロカボは「カロリーを意識させないカロリー制限食とも呼べる」と山田センター長は話す。

 いくら平均が1700kcalでも、「無制限」といえば3000kcalくらい食べてしまう人も中にはいるのではないだろうか? しかし山田センター長によると、そもそも最新の栄養学ではカロリー制限そのものが否定されつつあるという。

 初めてカロリー制限の効果が疑われたのは、2008年に発表された「ダイレクト試験」だった。肥満に悩む322人を3つのグループに分け、「カロリーと油を控える」従来のカロリー制限食、「カロリーを控えて油(オリーブオイル等)はとる」地中海食、「カロリー無制限で糖質だけを1日120g以内に抑える」糖質制限食という3種類の食事療法のダイエット効果を調べたものだ(N Engl J Med. 2008 Jul 17;359(3):229-41)。

 その結果、なんと「お腹いっぱい食べていた」糖質制限食が最もダイエット効果が高いことがわかった!

 カロリー制限はきちんと実行すれば確かに体重が減る。しかし体脂肪だけでなく、筋肉や骨密度も減ってしまう欠点があり、筋肉が減って基礎代謝が落ちるためリバウンドしやすくなる。それに何といっても、長期間続けるのがつらい。

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