抗酸化作用はトップクラス――カルシウムで骨を丈夫に

ケール
地中海沿岸原産のアブラナ科の野菜でキャベツの仲間。別名、緑葉カンラン、羽衣カンラン。江戸時代に日本に伝わったが、日本人の嗜好に合わず、改良品種のハボタンが観賞用として親しまれてきた。戦中戦後の食糧難の際、栄養補給のために青汁が考案され、その後、定着したといわれる。ほぼ通年、収穫できる。
ケールといえば青汁が一般的。だが、最近は料理に使える生葉も手に入るようになってきた。ドールやオイシックスなどの企業が販売するほか、スーパーなどが国内の産地から独自に仕入れている場合もある。
ケールの特徴は、豊富な栄養素と高い抗酸化力だ。βカロテンやルテインなどのカロテノイド、ビタミンC、クロロフィル、イソチオシアネートなどが含まれる。「ケールはキャベツのように結球せず、葉の根元まで太陽の光が当たる。このため、光合成でより多くの栄養分を合成する。また、紫外線を浴びる量が増えるため、“自らの身を守る”ための抗酸化成分も多くなった」(恵泉女学園大学人間環境学科の藤田智教授)。
骨を構成するカルシウムやマグネシウム、骨にカルシウムがとどまるのを助けるビタミンKも多い。しかも、「研究ではケールのカルシウム吸収率は牛乳の約1.3倍と高かった。また、食後の血糖上昇を抑制したり、花粉症の症状を緩和する効果も確認されている」(ファンケル総合研究所の森田麻子さん)。
苦みや青臭さを抑え、食べやすく改良されたものも多いので、生葉も食卓に取り入れてみて。
1 カルシウムの吸収率が高い
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