スプラウトとは野菜の新芽のこと。スプラウトに含まれる栄養価は、発芽前の豆や種、あるいは成長後の野菜をしのぐ。種のときにはなかった、もしくは微量だったビタミン類やフィトケミカルなどが生成され、抗酸化力や抗菌力も豆や種より高まる。中でも、注目はブロッコリースプラウトの辛み成分「スルフォラファン」だ。解毒作用や抗酸化作用があることが分かっており、含有量は成熟したブロッコリーの7~20倍以上にもなる(スプラウトの健康効果に関しては、「発芽の力で抗酸化・抗菌作用UPの 『スプラウト』、食べ方のコツは?を参照してください)。スプラウトの健康効果を生かしたレシピを紹介しよう。
加熱は× アブラナ科スプラウトのレシピ
刻んだりかんだりして細胞が壊れると、辛み成分の機能を発揮させる酵素が働きやすくなる。ただし、辛み成分には揮発性があるため、刻む場合は食べる直前がいい。
◆生で食べる
加熱すると、スルフォラファンなどの辛み成分の機能を発揮させる酵素が壊れて働かなくなってしまう。このため、加熱調理はせず、生で食べるほうがいい。
スプラウトとトマト、カリカリベーコンの変わりそば

- 調理時間 15分
- 1人分 444kcal
- 塩分 3.8g
材料(2人分)
- ブロッコリースプラウト(またはカイワレ大根) …… 100g
- ミニトマト …… 8個
- ベーコン …… 3~4枚
- ちりめんじゃこ …… 20g
- オリーブオイル …… 大さじ1
- 醤油 …… 大さじ1
- 黒コショウ …… 適量
- 乾そば …… 120g
作り方
- (1) ブロッコリースプラウトは根元を落として3等分に、ミニトマトは4つ割りに切る。ベーコンは5mm幅に切る。乾そばをゆでておく。
- (2) フライパンにオリーブオイルを熱してベーコンを炒め、さらにちりめんじゃこも加えて炒める。
- (3) ボウルに(1)のそば、ブロッコリースプラウトとミニトマト、(2)を入れて混ぜ合わせ、醤油を加えてさらに混ぜる。仕上げに黒コショウを振る。
ポイント
色鮮やかなトマトと合わせて抗酸化パワーがアップ。「スプラウト類に豊富なβカロテンは脂溶性のため、油と一緒に食べると吸収率が高まる」(サラダコスモの中田光彦さん)。
(写真:鈴木正美/レシピ考案・料理:成沢正胡)
料理研究家
出典:日経ヘルス2015年6月号
野菜の健康パワーをおいしく上げるレシピ129(日経BPムック 日経ヘルス別冊)好評販売中

「ゴーヤーはわたも食べる」「ゴボウは水にさらさない」「カボチャは皮をむかない」など、野菜に含まれている"機能性成分"を逃さずに健康パワーを高める食べ方を、大学などの研究機関で活躍する第一線の研究者への取材に基づいて紹介します。
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129のレシピにはすべて、カロリー、塩分、調理時間を表示しました。
