もう、一足先に感動を味わってしまったので、泣くことはないと思っていたのに、ゴールゲートをくぐったら、また涙が出てきた。真鍋コーチとハグ、そして固い握手を交わす。タロット占いを見事的中させたカメラマンM氏も、カメ子の完走を見届けて大喜びしている。
順位は一般ハーフ女子の部1201人中895位(実際にゴールしたランナーの中では、限りなく最後尾に近かった)。タイムは、2時間43分04秒、ネットタイム2時間40分26秒。狙ったかのようなギリギリのタイムだが、完走できないことも覚悟していただけに、大満足! 順位は関係ない。マラソンでは、1人1人にドラマがあるんだ…。
皆の支えがカメ子をゴールに押し込んでくれた
思えば企画がスタートした1年前は、5分連続で走るのもやっとだった。それから1年、仕事や家事・育児の傍ら、時間を捻出してコツコツと走ってきた。少しずつ走ることが楽しくなってきた矢先に膝痛で思うように走れなくなり、最近はずっともどかしい思いが続いていた。
正直に打ち明けると、「仕事ではなくプライベートで走れたら、どんなに楽だろう」と思ったこともあった。でも、レースを終えて、初めて気が付いた。もし1人で気楽に走っていたら、絶対に完走できなかった。真鍋コーチをはじめ、たくさんの人の支えが、なんとかギリギリのところで、カメ子をゴールに押し込んでくれたのだ。そして、膝痛があっても、気持ちを強く持って、ハーフを走り切ることができたことは、非常に大きな自信になった。
皆様、本当にありがとうございました!
カメ子さんとの2回目のレース参加となった今回の軽井沢ハーフマラソン。前回の10kmレースは脚の痛みで途中リタイアした経験がある分、今回のハーフマラソンでは何とか笑顔でゴールさせたいという気持ちが私の中でもかなり強かったです。大会の楽しさを知ってほしい、また、それによって、フルマラソン挑戦へのモチベーションも大きく変わると感じたからです。
そんなカメ子さんとの大会当日、明らかに緊張感があるようにも見え、いかにリラックスするか、ココが結構ポイントだと感じていました。そんな中、今まで一緒に同行して頂いた、編集長や、カメラマンさんがうまく緊張するカメ子さんをリラックスさせてくれました(感謝!!)
今回の大会では最後の最後でドラマがありましたが、何よりも私が嬉しく思ったのは、無事に笑顔でゴールできたことはもちろんですが(途中号泣シーンもあったけど・笑)、それ以上に、途中でカメ子さんから出た言葉「今日、すごく楽しいです!全然きつくない!」…その一言が本当に嬉しかったです。
長い期間をかけ、ゆっくり亀のように進んでいるカメ子さんですが、走る楽しさを確実に感じてくれています。私が指導している生徒さんたちにいつも第一に想っているのは、目標はそれぞれでいい、ただ「走るって楽しいんだ!」と感じてほしいということ。それが一番だと思っています。
フルマラソンに向けたチャレンジの通過点でもある今回の大会! 本当にカメ子さんはよく頑張ったと思います。ただ、これがゴールではなく、自信をもってフルマラソンにチャレンジしてもらいたいです。そして、一緒に笑顔でゴールをして、「チャレンジしてよかった!本当に楽しかった」という言葉を聞きたいなと思います。
引き続き読者のみなさま、応援よろしくお願いします。
ということで、連載はまだ続きます。
レースを終えたカメ子は、心は充実感で満たされながらも、脚はヨロヨロ、膝はガクガク。階段を上ることも下りることもままならない状態で、重い荷物を引きずり、生ける屍となりながらなんとか家にたどり着いた。翌日は、悲しいことに月曜日。
「当然、出勤するよな。俺はするけど」(ドS編集長)
や、休めない…のね…(TwT。) (次回「ヘタレランナー、目指すゴールは東京マラソン!」 に続く)
(写真:村田わかな)
(協力:ダンスキン〔カメ子着用:Non Stress Tシャツ 4300円、ショートパンツ 6000円、以上すべて税別〕、大塚製薬)
ランニングアドバイザー

福岡県出身。高校時代、中・長距離の陸上選手として活躍し、卒業後は資生堂ランニングクラブに所属。同クラブ在籍中にマラソンに転向。ベストタイムは2時間55分27秒(2006年1月29日大阪国際女子マラソン)。現在は、ランニングアドバイザーとして女性向けのセミナー、ランニングイベント「miobiRun」を定期的に開催するほか、TVや雑誌など各種メディアで活躍している。公式ブログはこちら。
著書『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』(池田書店)
(写真:村田わかな)
