最終関門まであと1.7km、もう無理~!!
「ここから最後の関門まで、7分ペースで走って! 7分!!」
スタッフの男性が、関門を通過したばかりのランナーに叫ぶ。
えー!! 7分?! む、無理…!
やっとの思いで関門を通過したばかりなのに、追い打ちをかけるような厳しい現実に、心が折れそうになるカメ子。その時、ドS編集長が「アニマル浜口さん」と化した。
「根性見せるのは、今だぞ。今見せなくてどうする!とにかく最後の関門さえ突破すれば、あとは歩いたっていいんだ。19.3kmが俺たちのゴールだ」
「フォームなんてどうでもいい。とにかく、死ぬ気で走れ!気合いだ!気合いだ!」
「はいぃ!」(カメ子)
既に体力も脚力も限界に達していて、気合いとは裏腹にスピードが上がらない。それでも必死で、コーチと編集長の背中を追いかける。
「周りのみんなもつらいのは一緒。あと少し、がんばりましょう!」
真鍋コーチの優しい激励を受け、とにかく前へ、前へと走る。
「どこ? どこなの関門? まだ??」
地図ではもうすぐのはずなのに、なかなか見えてこない。焦りと苛立ち。周りのランナーも、皆必死の形相で走っている。
道のはるか先から「あと1ぷーん!」
そのとき、道のはるか先から拡声器の声が響き渡った。
「あと1ぷーん!」
い、いっぷん?!?!
「急げ! がんばればまだ間に合う!」と沿道のスタッフ。
「走れ! あそこの白い看板だ、気合で走れー!!」(編集長)
周りの集団がわっと加速する。でも、脚が思うように動かない。ダメ、私は無理。つらい、もう走れない。
でも…
ここまで走ってきたのに、ゴールできないで終わるのは、絶対にいやだー!!
ぬおおおおおおーーーー!!!!
満身創痍のカメ子、最後の力を振りしぼって走る!!
「5……4……3……2……」
徐々に近づいてくるカウントダウンのコール。どこが正確な関門ラインなのかもよく分からないまま、無我夢中で突進した。関門らしき場所を駆け抜けた瞬間、なにがなんだか分からず、頭は真っ白。
え、間に合ったの? 大丈夫だったの?
そのとき、編集長が言った。
「後ろを見てみろ」
- 次ページ
- 振り返るとそこには…
