10kmのナイトマラソンを膝の痛みでリタイアしてしまった、ヘタレランナー・カメ子。練習もできず、「また走ったら痛みが出るんじゃないか…」という不安で鬱々としていたところ、真鍋未央コーチからスポーツマッサージ体験のススメが。スポーツマッサージって、どんなところだろう? 行けば痛みは治るのだろうか?

意気揚々と参加したナイトマラソンで、痛恨のリタイアを体験してから、2週間(「10kmナイトラン、まさかのリタイアで心は土砂降り」)。レース後には歩くのもつらかった左膝の痛みは、翌日の夜にはほぼ治まり、数日後にはまったく痛みを感じることなく日常生活を過ごせるまでに回復した。
だが、もともと筋金入りのヘタレなだけに、精神的ダメージの方は後を引いた。最終目標を意識すればするほど、焦りと不安が頭を持ち上げてくる。
「走ったらまた痛みが再発するんじゃないかな…。そうなったら、フルマラソンなんてとても無理なんじゃ…。せっかくここまでがんばってきたのに…」
そんなネガティブ思考でいっぱいのカメ子の心中を察してか、真鍋コーチが緊急ミーティングを設定してくれた。そこで言われたのは、こんなことだった。
「トラウマになることが一番怖いんです」
「まだ表情がすぐれませんけど、大丈夫ですか? カメ子さんの中で今回のリタイアがトラウマになってしまい、レースのときに悪いイメージが浮かんで、体が拒否反応を起こしてしまうことが一番怖いな、と思っています。今回のリタイアはアクシデントの側面が大きいので、まったくプレッシャーに感じる必要はありません。それに、何もかもが順調に進んで本番を迎えるよりも、こうした“波”があった方が、むしろ心構えができていいんですよ。失敗を教訓に成長していくランナーを私はたくさん見てきました」(真鍋コーチ)
確かに、膝を気にすればするほど、悪い方へ悪い方へと自己暗示をかけそうになっている自分がいる。真鍋コーチと話すことで、落ち込んだ心が少し前向きになってきたカメ子。さらに、真鍋コーチはこんな提案をしてくれた。
「一度、スポーツマッサージを受けてみてはどうですか? 膝の痛みには、筋肉のコンディション不良が影響していることが多いんです。専門のトレーナーに全身を見てもらえばそうした問題を把握できますし、意識的に補強することで故障のリスクを減らせると思います。自分では手が届かない部分の筋肉もしっかりほぐしてもらえますよ」(真鍋コーチ)
そうか! これまで、「補強トレーニングに専念しながら、休んで回復を待つ」ことしか頭になかったカメ子。だが、膝の痛みの根本に筋肉の問題があるとしたら、いくら休んでも、走るたびに同じトラブルが起こる可能性がある。ましてやこれからどんどん距離を伸ばさなければいけないのだから、漫然と回復を待つだけでは、問題は解決しないかもしれない…。
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- 2週間ぶりのランで恐れていたことが