一方、締め付けられるのが苦手な人や、下半身の筋力が十分に備わっている人は、動きやすさを重視した、着圧設計のタイツの方が、長時間快適に着用していただけると思います。中には段階着圧設計のタイツもあり、足首からふくらはぎ、太腿へと向かって徐々に着圧を弱め、下半身の血流を心臓に戻す手助けをしてくれます。このタイプのタイツは、レース後の移動時間や普段の立ち仕事などの際に着用するのもおすすめです。
私も実際に両方のタイプを穿いてみましたが、着圧設計の方が履き心地が良く、とても快適でした。ただ、筋力には大いに不安があるので、これから距離が伸びるにしたがってサポート力の強いタイプのお世話になるような気がしています。実際にお店で選ぶときには、どんなことに注意すればいいですか?
宮内さん まずは試着して、履き心地や動きやすさを確認してみてください。そして、履いた状態を店員さんに見てもらうといいですね。膝の位置がずれていたりすると、本来の機能が発揮されなくなってしまいますので、履き方は正しいか、そのタイツの立体デザインが自分の脚の形に合っているかなどをチェックしてもらってください。
機能性タイツの商品開発のトレンドはありますか。
宮内さん ランニングパンツを履かずにタイツ1枚で走るランナーが増えてきたのに伴って、「下着っぽさ」を感じさせないスタイリングの提案が増えていますね。具体的には、腰のゴムを太くしたり、お尻にステッチを入れたり、といったデザインです。素材的にも、吸汗・速乾性だけでなく、軽さ、通気性、クーリング効果など様々な機能を追求したものが開発されています。
ありがとうございました!
ランニングアドバイザー

福岡県出身。高校時代、中・長距離の陸上選手として活躍し、卒業後は資生堂ランニングクラブに所属。同クラブ在籍中にマラソンに転向。ベストタイムは2時間55分27秒(2006年1月29日大阪国際女子マラソン)。現在は、ランニングアドバイザーとして女性向けのセミナー、ランニングイベント「miobiRun」を定期的に開催するほか、TVや雑誌など各種メディアで活躍している。公式ブログはこちら。
著書『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』(池田書店)
(写真:村田わかな)